津次郎

映画の感想+ブログ

懐かしいあいつみたいな 横道世之介 (2013年製作の映画)

5.0
見たときは、それほど印象は強くなかったのだが、数年経って、じわじわと、あれはいい映画だった、と思い出した。
まるで、映画のなかの人たちがみんなして横道世之介のことを回想するように、この映画を思い出した。それでまた見た。

日常のなかで、過去に出会った誰かを、ふと思い出す。
あいつおかしなやつだったな、今ごろ何してるだろうとか。
あのひと可愛いかったな。もう結婚したのかなとか。
ほんの一瞬でも、なんとなく、笑みがこみあげてくる。
きれいなまんまの記憶もあれば、後悔もある。甘酸っぱいともいえるし、切なくもあるし、ばあいによって慚愧もある。

横道世之介は、万人がもっている懐かしいあのひとへの感情を集約している。社会へ散った私たちに、いやおうなしについてくる、かけがえのない思い出を覚まさせる。
またいつかかならず見たくなると思った。

余談ですが別レビューサイトにこの評を投稿したところ、(ツイッター連携機能経由で)、監督本人からいいねをもらったことがあります。わたしの唯一の自慢です。