津次郎

映画の感想+ブログ

強迫観念とその末路 BUG/バグ (2007年製作の映画)

3.8
ウィリアムフリードキン監督は偉大だった。
いまでもあの印象的な街灯に照らされる神父の黒影のポスターをみるとまた見ようかなという気になる。
ほとんど50年経たいまでさえエクソシストネタはホラー映画の主潮流である。

偉大な映画監督は興味の矛先が常人のなんばいも早い。を感じる。
ラング監督のメトロポリスにしてもキューブリック監督の旅にしても黒澤監督の生きものの記録にしても、ぜんぜん早い。

ただフレンチコネクションとエクソシスト以外のフリードキン監督作評は、それほどかんばしくない。
個人的にもそれいがいを見てなかったり、憶えていない。

これもはじめて見た。
みはじめてスキャナーダークリー(2006)を思い浮かべた。
みょうなことだが、同年の映画だった。

かなりすさまじい映画で、びっくりした。
陰謀論に染まっているひとを描いている。
今でこそ、あるネタだが、先取り感はある。

こわもてマイケルシャノンはいまやもてスターになったけれど、狂気の行方とかテイクシェルターとかこれとか、強迫観念のひとで売ってきたんだなあ、を感じた。人格異常を演じさせると、しっかりうまい。

監督の年譜をながめたらKiller Joe(2011)から撮っていない。Killer Joeは、えげつないがけっこう笑えた。フリードキン監督の恐怖の報酬みたいなやつがまたみたいなあと思う。あれはクルーゾーとモンタンの元ネタより印象に残っている。