津次郎

映画の感想+ブログ

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.0
たぶんD.O.を他の韓国映画で見たことがあると思う。
EXOのことは知らない。
強い眉。キッとした眼力。みなぎる躍動。アジア枠を超える俳優だと思う。
オジョンセはドラマ/映画でひんぱんに見かける愉快な中年俳優。
ジャクソンとぽっちゃりの青年は初めて見た。
パクヘスは韓流ドラマで見たことがある。
ぷくっとした頬が特徴。
上背がなく小粒。
映画女優というよりアイドルの印象だった。
踊れるとは想像もできなかった彼女を、映画はしっかり輝かせていた。
リンダ姉さん役の女優も楽しかった。

悲劇を描写したかとおもえば、コミカルなタッチを挿入する。
イデオロギーや非情が、観る者の気分を覆ってしまう前に、さっと転換する。
──映画は押すばかりでなく、しっかり引いてくれた。
演出をわかっている人がつくっている。

過酷な宿命だがギラギラにはしない。
お涙へ振らない。
被害者自慢をしない。
結末に反して後味はすがすがしい。
Free as a birdがまるで主題曲のように染み入った。

このエネルギー。
キャスティング。
サウンドプロダクション。
自在に走るカメラ。
めまぐるしい編集。

見終えて、落ち着くと、なんていうか、その情熱を思う。
世界をあっと言わせてやろう。
映画もビジネスだが、それをまだ魔法だと信じている人たちがつくっている。
技術も出来もさることながら、その意識がうらやましかった。
比較するつもりは毛頭ないが・・・(以下割愛)。