津次郎

映画の感想+ブログ

異色設定と活き活きしたキャラクター めちゃくちゃ恋するハンターズ (2020年製作のドラマ)

めちゃくちゃ恋するハンターズ TV ドラマ 動画配信 視聴

5.0
意外性がある。
アイデアがたくさん。
女性たちがフェミニンでいきいきしている。

それらの描写に、ひけらかしがない。
脚本があっとうてきにたのしい。

よく思うのだが、ネットフリックスという場に、公開処刑を感じる。
こうして各国が並んでみると、日本はヒールに上げ底インソールをしのばせても、まだ寸足らずな芸能人──のようだ。

海外のものが、すべておもしろい、とは言わないが、日本製ドラマ/映画には、常に、つくりに限界と類型と「どや」を感じてしまう。

いちばん感じるのは「どや」かもしれない。ほんとにおもしろいドラマには「おもしろいことやってるでしょ」感がない。作り手がどやっているのが、ぜんぜん見えない──わけである。

それは普通のことだが、いまの日本製にはほとんど「どや」が見えてしまうために、海外ものにより洗練を感じる。
いうなれば田舎もの=日本製が混じっている感じ。がある。
もちろん、ネットフリックスなので、海外ドラマでも、いささか「世界発信ゆえの背伸び」を感じるドラマはあるのだが、日本製ほど顕著ではない。

また、個人的な感慨かもしれないが、日本製のドラマには、そこはかとない差別意識がある。たとえば、おっさんやぶすやいけてないひと、そういう端役がいるときに、ないがしろにしてもいいという空気感を日本製ドラマは持っている。──と思う。

海外のドラマは、とりわけ直近に大きな抗議運動があったアメリカのドラマは、レイシズムを打開するダイバーシティ(多様性)を持っている。
たとえばバウザーは太めでおっさんな黒人であり、ブレアとマイルスは白黒のカップルであって、作家が無意識にそうしているとは思わない。ゲイ設定もしかりで、間違いなく差別を打開するために、キャラクタ設定している──はずである。
日本のドラマのような「負の助長性」を持たない。

おそらく、学園の仇敵と同性愛展開するドラマは初めて見た──と思う。作家は、類型を打破しようとしており、かつ類型を打破する展開に「どや」感がない。人を疑うことを知らない担任エレンのような非類型キャラは初めて見た。

終わりは寸詰まりになっているものの、とうぜん次シーズンへ持ち越すための未完だと思われる。25歳どうしの「ティーン」のバウンティハンターコンビは完成度が高く、ネットフリックスで見たドラマのなかでも、群を抜いてたのしかった。