津次郎

映画の感想+ブログ

郵便屋(1995年製作の映画)

2.5
いまネットフリックスをはじめ、さまざまストリーミング(動画配信)サービスがあり、いろいろな映画を、定額で見ることができる。

それらは新型コロナウィルス禍下の巣籠もり需要も手伝って、利用率も加入者も伸びていると思われる。

わたしもそこで映画をよく見るし、新着に降りてきた映画に、興味をおぼえる。

ところで、配信中の映画は、そのサービスのポータルで人気順に並べられるのが常である。

要するに、利用者がいちばん見ているコンテンツ順に並べられる。

そこで感慨深いのは、かならずえっちなのが、上にくるということ。

知ってのとおり、えっちな映画は、安いつくりで、タイトルや参考画像に釣られても、つまんなかったり、えっちでもないのが普通だが、それでもやっぱり、人気が集まる。

ネットフリックスでの視聴順位は、アニメや韓国ドラマが首位を占めるが、これはネットフリックスの利用者の大きさを表していると思われる。ファミリーの需要が介入すると、それが主流になる(と思われる)からだ。(たぶん)

しかしわたしの利用している映画配信サイトでは、メジャー作品もしくはえっちなやつが、人気作として上にくる。

さいきんティントブラスのが数作、定額枠に降りたのだが、さっそく上位にきていた。
社会も日常もみんな真面目そうに生きているが、やっぱにんげんえっちなんだなあ──と思う。

もうすでにご老輩だが、ティントブラスはフェリーニから詩情をとってえろくしたような映画をつくっていた。でも、たんにえろなわけでも、ひたすら安いわけでもなかった。なんとなく一定の格調があった。気がする。

昔VHSで借りたカリギュラはXレイトなのにMalcolm McDowellやHelen MirrenやPeter O'Tooleが出ていた。
それなシーンはモザイクだらけで、なにやっているのかわからなかった。むかしのイタリア映画は食人族のようなダブル(交合の場面などに、まったく別の映像を挿入してしまうこと)があったが、カリギュラも酒池肉林とストーリーを語る場面は分離していた。
谷崎潤一郎の鍵のティントブラス・リメイクも見た覚えがある。大女の肉体派ステファニアサンドレッリが出ていたが、文芸に寄せていて思いのほかえろくはなかった。
が、むかしの肉体派イタリア女優さんステファニアサンドレッリやラウラアントネッリやセレナグランディは基本的にいまの女優さんらよりはるかにえろい佇まいをもっていた。

ティントブラスはまだ映画をつくっているのだろうか。さいきん、なにかのドキュメンタリーで見たがCaterina Varziというきれいな奥さんがいる。少なくとも精力的な爺さんだった。

本作もなんとなく格調がある。が、ティントブラスの映画は見ているわれわれより作っているティントブラスのほうが楽しい──に違いない。しばしば自分の映画内に本人役で出てきて、まるで食卓で塩をふるように女優たちの尻や胸をさわる。もう今はできないかもしれない。

というわけでティントブラスは出演もやる。自分の映画でも他人の映画でも、出てくるとかならず太い指で葉巻をくわえている。女をさわるときも葉巻を手放したことがない。

やはり昔借りたVHSだったと思うが、ティントブラスが案内人をする、えろ系のオムニバス映画があった。そのひとつで、忘れられないのがある。imdbを調べたらUltimo metrò (1999)というショートムービーだった。監督はティントブラスじゃないが(ものすごく)エロチックで、記憶に残っている。