津次郎

映画の感想+ブログ

ハッピー・デス・デイのジェシカ・ローテ主演 オール・マイ・ライフ (2020年製作の映画)

オール・マイ・ライフ All My Life (字幕版)

2.7
HappyDeathDayでJessica Rotheをはじめて見た。にほんご表記だとロースかローテになっているのだが、あっちの動画をみているとスよりもテよりもサにちかく、舌をつかうやつのような聞こえをする。こういうくそなまいきなことを言う人はえーごに詳しいはずだが、わたしはえーごが解りません。

ところでHappyDeathDayもその続編も、日本でものすごくウケた。楽しい映画だった──のはまちがいないが日本では異常な高評価だった。その理由をGroundhog Dayを知らない世代にウケた。と分析したが、元来それもくそなまいきな話である。わたしが若者だったら「むかしの映画を知っているからってマウントをとるつもりかよ、おっさん」とののしるだろう。

もうひとつJessica Rotheが日本人ウケしたから──とも分析した。どうだろうか。こじん的には自暴自棄になったツリー(HappyDeathDayでの役名)がすっぱだかで闊歩するとこはよかった。(胸上ショットだったが。)

Jessica Rotheの来歴を見ると2010年から知らない映画がずらりと並んでいて、そうとうな苦労人だと感じられる。

ダコタファニング主演のPlease Stand By(2017)という映画がある。HappyDeathDayの同年だが、Jessica Rotheがほとんど端役あつかいで出ていた。このちょっとだけ出ているJessica Rotheがものすごく巧くて、役者としての実力はむしろ一瞬だけ出ているPlease Stand Byで察知した。のだった。

34歳(2021現在)は世間的には若いが、子役からスタートするエンタメ業界では、ファニング姉妹やKathryn NewtonやZoey Deutchなど25歳あたりですでにベテラン俳優に枠取りされるのが常態化している。

根無しの無名俳優からスタートし、それらのセレブスターに比肩するまで費やされた結果が30代だった。と言えるのではなかろうか。そのエイジングというか下積みのような老成感が、ふと顕現することがある。とかなんとか。まあふつうにきれいなひとではある。

わたしは異常ヒットしたコメディ映画「湯を沸かすほどの熱い愛」のレビューに日本人はしぬしぬで釣れると書いた。さきに断っておくが、この映画のモデルとなった肝臓がんにかかった男性とそれを知って結婚式を挙げた女性のふたりに悪意はない。ただし日本人は露命の設定にべらぼうに弱いためフランダースの犬の最終回で天下をとれてしまう。それはぜったいにまちがいがない。この映画の高評価もそれを証明している。

よってこの映画にたいする定点はウィキペディアにもあるRotten Tomatoesの見解がすべてを語っている。
『観客の心の琴線に触れようとしているのが見え見えで興ざめである。とは言え、『オール・マイ・ライフ』の主演2人が織りなすケミストリーは心のこもったものではある』
(オール・マイ・ライフのウィキペディアより)

他に言いようがない。誰がどう見ようと勝手だが、しぬで釣られんなよ日本人──と、個人的には思った。
ただし、である。Rotten Tomatoesさえ気づかなかったこの映画の最重要因子は男がアジア人であること、に他ならない。
アジア人女性とちがい日本人男性をふくむアジア人男性はこの惑星でモテないにんげんの上位をあらそう。そんな男性がゲルマンの女とカップリングされる。この映画の日本評価は、それによって高かったのだ──と信じたい。