津次郎

映画の感想+ブログ

クリスマスの監禁サバイバル P2 (2007年製作の映画)

P2

3.1
仏ホラー傑作Haute tension(2003)の監督Alexandre Ajaが脚本に関わっている。あの緊迫に似た感じがある。imdbは5.9だがもうすこし高くてもいいような気がする。rottentomatoes値は35・36%で低かったが個別評では賛否が半々にあった。

監禁されるまでを、丁寧に描く。高層階のオフィス、(仕事が)できる女性、クリスマス最後の一人となった彼女が、ようやく仕事を終え地階の駐車場(のP2区画)へ降りてくる。そこで車がスタックし管理人室へ。一見、まったく問題なさそうな饒舌な管理人。やりとりを経て一端解放されたかに見せる。その謂わば「小康状態」が巧いので、そのあとのhorribleな展開が相乗してくる。

Haute tension(邦題:ハイテンション)も似た切り口があった。なんでもないな──と思って見ていたら、怒濤の展開に度肝をぬかれる。その語り口がうまい。

この管理人がWes Bentleyで、常人に見えるけれどサイコパス──の役どころが適役だった。日本でこの役を充てるなら岡田将生とか要潤とか松坂桃李とか・・・だろうか。「イケメンだがひねくれにも見える」──これができる人はわりと絞られる。と思う。

サイコパスが監禁するものの、窮鼠猫を噛む──の法則にしたがって、返り討ちををする──そこは勝ち気なヒロインの見せどころ、日本で充てるなら北川景子、長澤まさみ、戸田恵梨香、柴咲コウ、・・・。芯が強そうな感じ──この属性は多数いて、選り取りだと思われる。

ざっくりの感想として(話は別物だが)ヘイリーベネット主演のKRISTY(2014)の印象。海外評では佳作なのに日本ではぜんぜんダメだったBerlin Syndrome(2017)の感じにも似ている。おそらくP2が記憶に残っているのは(Alexandre Ajaが噛んでいることで)アメリカの明と、ヨーロッパの暗の中間にあるからだと思う。パスカルロジェがアメリカへ進出したThe Tall Man(2012)の肌感が近い。と思う。