津次郎

映画の感想+ブログ

映えまくるキャラクター 梨泰院クラス (2020年製作のドラマ)

DEVARA 韓国ドラマ 梨泰院クラス 全話

4.0
TheWitch魔女(2018)の女優(キムダミ)が最初に出てくる。
が、韓国ドラマらしく長めの前段がある。

梨泰院という言葉を知らなかったので調べたらソウルの一区画名だった。外国人が多い歓楽街という感じのところ──らしい。そこを舞台に、学園からノワールから飲食店経営からロマンスへ話は多彩に飛ぶ。

キャラクタの独自性が高い。とくにセロイ(パクソジュン)とイソ(キムダミ)。
セロイは『3年間友達もいなかったが、なぜか孤独には見えなかった。』──孤高といえる存在感と、確固たる信念。性格にも髪型にも通俗性がない。(因みにイソの部分金髪とヒョニの銀髪もいい。)

イソはソシオパスとの設定。傍若無人っぷりが痛快。据わった目と微妙な斜視。フォレストウィテカーのような特徴的な不均衡。見つめるだけで恫喝できる大陸の気配値。まったく東洋人の顔なのに、可憐といえる顔なのに、得も言われぬ恐ろしさ。

個人的にはそのキムダミを見るドラマだったが、前述したように冒頭のカウンセリング場面から、イソが登場するまでけっこう間があって、やきもきした。

TheWitch魔女を見たとき、キムダミのふつうな第一印象に、拍子抜けしたのだが、いったん異能スイッチが入ったときの彼女は別人だった。ひるがえって、キムダミを発掘/配役した業界の慧眼を感じた。──のだった。

ソシオパスの設定があるにしても、イソの自信に満ち、かつ相手を嘲弄している雰囲気は怖かった。
だがイソが「タンバム」の仲間になり飲食店のノウハウをテコ入れするところは説得力があった。社会の不適合者たちがつくった「タンバム」が実社会に通用する飲食店になる展開はわくわくさせた。一緒に戦える頼もしい仲間たち──ができた瞬間だった。

まだ見始め(4/16)なので先は解らないが、タンバムを中心に、多彩な人間模様を描きつつ、韓ドラの基本テーゼ=「まじめに一生懸命生きている人間が勝つ」へ持っていく感じがいい。

一皮も二皮もむけてるキャラクタと多彩な登場人物と悲喜こもごも。さすがネトフリ世界ランキングの韓ドラ。数も質も韓国のが数段うわて。くさい和製ドラマがランクインしないのも当たり前ってかんじ。