津次郎

映画の感想+ブログ

王道の薄幸&王子様 アンナラスマナラ -魔法の旋律- (2022年製作のドラマ)

アンナラスマナラ -魔法の旋律-

3.5
韓国の俳優の「いくらでもいる気配」はすごい。

さいきん広瀬アリスに休養の報道があったのだが、日本には広瀬アリスしかいねえんかいってくらいに重なるときには重なるものなんだな──と思ったと同時に、日本のメイン俳優の絶対量の乏しさを痛感した。

なんていうか稼働中の主役級俳優の圧倒的な少なさ。今が旬──みたいな人をあげたら男女ともに両手で足りてしまうのではないだろうか。

──ていうか人(俳優)を生かさない固陋な気配みたいなのがすごい。
すなわち「少ない」と言うより、融通がきかないというか、多様性が貧しいというか、なんていうか幾らでもいるはずなのに生かしていない気配をものすごく感じる。
たとえば北香那とか主役でいけるよね。(あなたにも端役でしか見たことないのに主役らよりずっと見たい俳優がいるにちがいない。)

ドラマの視聴率なんかぜんぶ全滅のくせに王道俳優にこだわるアホさ加減。なぜもっと多数の俳優を勝たせないのでしょう。んなことやってんだからテレビがオワコンなのはあたりまえ。(何も知らない庶民の見識です。)

それに比べると韓国の美人/イケメンの豊富な在庫。
あたらしいドラマのたびに初見の美人が出てくる凄まじさ。
その一人だけに勝たせない多様性。
((韓国は)人口はんぶんの国ですよ。なにやってんの日本のエンタメ。)

このアンナラスマナラでチェ・ソンウンをはじめて見た。
高校生ユンアイ役。その佇まいと見た目で貧困。韓国のドラマ内で貧困は正義をいみする。ユンアイはまさに正義だった。初めて見たヒョジュみたいな涼しさ。いじった気配がまったくない正当な印象。

ストーリーはけっこうしょうもない。あってない感じ。だけど薄幸だけで魅せること魅せること。うつくしい人がでているだけでときめく──という韓国ドラマだけのお家芸をみせつける。と同時につくづく韓国エンタメの「いくらでもいる気配」を感じるドラマだった。