津次郎

映画の感想+ブログ

格好悪いふられ方 モテキ (2011年製作の映画)

モテキ

3.5

昔、大江千里をださいなあと思っていた。
洋楽に傾倒していたから余計にそう思っていた。
十人十色という曲があってサビが思いっきり十人十色なんだわ。
大江千里といえば巻き舌(HOUNDDOGの大友康平みたいなやつ)とは違い日本語をはっきりくっきり、大口開けて歌う人だった。なんかキッズ向けに表情や身振り手振りを誇大にしているような人だった。
それが妙な感じでへんな歌だなあと思っていた。
だが今や大江千里はJPOPのレジェンドだ。

この映画でさいしょに心奪われるシーンは幸世(森山未來)が初取材に行った野外フェスでDQNかっぷるから思いっきり嘲罵されるところでベソかいて逃げ走るとき大江千里の格好悪いふられ方がかかるところ。

1991年の曲で映画の2011年からすると20年前の曲なのに、ましてや今の2023年からすると32年前の曲なのに、すごい新鮮にきこえる。と同時にモテキのシーンに書き下ろしたみたいにピッタリ合うのだ。やっぱ大江千里はすごかったんだ。俺はまちがってたよ。

それからPerfumeのBaby cruising Loveがミュージカルになるシーン。おそらく映画内PVとして類例のない完成度だしとうぜん森山未來もPerfumeもキレッキレだった。

──

モテキのwikiをみたら2008年から2010年までイブニング(講談社の漫画本)に掲載され、そこから多岐メディアへ広がったとのこと。

モテキはその言葉とともに大流行したがじぶんは原作漫画も未読で、この映画やドラマを見たのもずっと後年だった。
漫画は各話が実在する楽曲になっていて1が前述した格好悪いふられ方だそうだ。

映画の前後でテレビドラマも見たと思う。あまり覚えていないが松本莉緒が出ていたことはおぼえている。

ひさしぶりに映画を見て、今2023年だから2011年のこの映画から12年経っているが、時代感や俳優のポジションとかが、あまり変わっていないように感じた。りりィさんや新井浩文はいないけれど。

幸世は長澤まさみとツイッターを通じて出会うことになるんだが「お、水道橋博士から返信されてるスッゲえ」というセリフをなんとなく覚えていた。
それらのSNS周辺の社会背景(のあの頃と現在)にまったく進展を感じなかった。

余談だが真木よう子はこの鉄火肌上司のキャラクターがいちばん似合うと思った。