津次郎

映画の感想+ブログ

Devoured 貪る。 (2012年製作の映画)

貪る。

3.0

vodで見つけたローバジェット映画。

マシニストのような妄想落ちホラー映画。

ローデス(Marta Milans)はエルサルバドルから米国へきた移民。
難病にかかっている息子の治療代をかせぐためレストランで雑用係として働いている。
が、サディスティックな女主人にこき使われている。

汚れた労働環境に置かれた、薄幸かつなまめかしい南米女というコントラスト。
にがい米や河の女のように市井無頼な環境にボリュームのある女を置くことで掃き溜めに鶴バリューを引き出している。
それ自体は常套な方法だが女優がいいし下世話な覗き要素のある演出もいい。
なにより得体のしれない哀愁がありカルト要素ありだと思った。

Imdbは5.4。ローバジェットのホラー映画で5.4は優秀。

英語のWikiによるとMarta Milansはスペイン系アメリカ人。
本作「Devoured」でブレイクしたと書かれてあり、映画当時30歳。現在(2023)41歳。
他ではShazam!にも配役があるがテレビ寄りのキャリアのようだ。

妄想落ちなのは察知できてしまうが、Marta Milansの哀感と肉感で、晩酌がすすむくんなエロチックホラーになっている。
適切な女優が演じたとき(ブラレスの)タンクトップorキャミソール&ホラーは、ワイン&カマンベールチーズみたいなもの。
このジャンルが“いい女”であるていど回せてしまうことがわかる映画でもあった。

ちなみにDevouredの意味は「むさぼり食う」とか「 がつがつ食う」だそうだ。
厨房やセラーの暗く重苦しい雰囲気と薄幸女の組み合わせが映え、ひと味変えたらほんとにカルト化したと思う。