4.1 数年前東京暮色がにわかに着目されたのは有馬稲子の一枚の劇中スチールだった。おそらくvoguejapanか何かに載って火が点いたのだろう。 うしろで束ねていてショートヘアよりも短く見える髪型だった。ほおづえをつき、ほおをささえた手指にタバコをはさん…
3.7 ダルバは小児性愛者の父親によって立場的にも性的にも妻として扱われていた12歳の少女。そのグルーミング(=未成年が精神的・肉体的に手なずけられ、アイデンティティが歪むこと)を解いていくのが映画の骨子。 母親は当時5歳だったダルバの共同親権を…
4.2 是枝裕和監督のデビュー作であり江角マキコのデビュー作でもあった。Maborosiというタイトルがついていて海外で評価が高い。RottenTomatoesのオーディエンスレビューを見て解ったがMaborosiは海外にコアなファンをもっている。一方日本でそれほどでもな…
4.0 未来の自分に会って今の自分を見つめ直すという話になっている。レディバード(2017)を思わせた。というのもレディバードの骨子は家族愛と地元愛を再認識するところにあったし、主人公エリオット(Maisy Stella)の弟がシアーシャローナンのストーカー…
4.0 Kanozero Petroglyphsはロシアにある遺跡だそうだ。岩石に動物の絵や文字が刻まれているが、意味はまだ解明されていない。フィンランドの女学生が列車に乗ってその遺跡を見に行く。その道中劇。 カンヌのグランプリ(二席)になりアカデミーの国際長編映…
3.7 ビバリーヒルズコップは(4つ目の)続編までに30年かかったがビートルジュースは35年かかった。 3作目の可能性について聞かれたバートン監督は「これつくるのに35年かかってるんだから計算したらつぎは僕も100歳超えてることになるわけで科学が進歩する…
webで拾った情報だが長野県には日本一多い7名の女性杜氏がいてそれぞれが評価の高いお酒をつくっているのだそうだ。(2022年のweb情報) 女性杜氏にはますますご活躍いただきたいと思うが、女性を押し出してマーケティングをはからざるを得ないところに日本…
3.7 映画は2020年におきたディトラウ外国人排斥事件というじっさいの事件にもとづいているそうだ。 ルーマニアのディトラウという村で、パン工場がスリランカ人を雇用したことに抗議し、ハンガリー系住民が牧師を陣頭に1,800の署名を集め市役所に嘆願書を提…
4.0 日本では芸能関係者は思想的政治的なことを言わないが、あちらでは若い人気者でも主義を明言したり(2024/11/05の投票日にそなえて)トランプかハリスかを公言することがある。バレラがスクリーム7のヒロインを降板したのは中東の紛争に関する見解をソー…
4.5 若さを失うほど、若者との隔意とともに「おれはもう若くないんだな」という実感がやってくる。おおむね30代以降にそれがきて年をとるほどゆるやかに静まっていく。ゆるやかに静まっていかない奴もいて、そんな奴が若い女に執着して事件化することが定期…
2.3 この映画版もテレ東の何かおかしいも雨穴さんのオリジナルYouTube動画に劣る。つまり一介のウェブライターである雨穴さんがつくった映像作品のほうが映画よりもドラマよりも面白い。オリジナルYouTube動画は2,354万回再生である。(2024/10現在の『【不…
3.0 開戦前の上層部では海軍と陸軍がいがみ合い、天才投資家がつくった裏金「バニシング」をめぐって混迷している。 山本五十六(阿部サダヲ)は──『(その金をつかって)10年、開戦を先に延ばしてみる。その10年の間に戦争を回避し、この国が生き残る道をみ…
1.0 まだ一話しか見ていません。 優希(清原果耶)は冷めたポップコーンを食べてあげる気づかいがあるから優しいとみなされ、その優しさが重荷だという彼氏から別れを告げられる。広海(佐野勇斗)はギフテッドとして海外留学したが挫折して優希らのいる常青…
3.9 Woman of the Hourは殺人鬼Rodney Alcalaの実話。1978年、当時身辺調査が緩かったためAlcalaはすでに5人の女性を殺害し12歳の少女に対する殺人未遂で有罪判決をうけていたにもかかわらずデートゲームという男女マッチメイク番組に出演した。Alcalaによる…
4.0 imdbに公開当時(1998年)のパンフレット画像があった。パンフレットには大友克洋とロジャーコーマンと藤井フミヤの賛辞が載っていた。そこで大友克洋はこう書いていた。 『これは、アニメーションと云うカテゴリーで作られ、映像作品と云う意味を持ち得…
4.5 目的が功名心にまみれている──と思うことがある。何をするにも、自分の内心に承認欲を感知してしまう。ほめられたい、好かれたい、栄誉をさずかりたい、バイトくんから尊敬されたい、さりげなく自慢したい、多数のいいねやフォロワーがほしい──そういう…
3.5 グレンパウエルというとThe Dark Knight Rises(2012)のちょい役のイメージがあり、他の映画でも端役と脇役の中間のような扱いだったからブレイクは意外だった。晩成感があるがまだ35歳(2024年)だそうだ。 がちむちな男っぽさと適度なダサさで、見て…
3.0 さいきんFilmarksの広告が増えている。有料サービスへ誘い込みたい──という思惑があるのかもしれないがバナーやマルチプレックスだけでなくオーバーレイのアンカーや全画面などあらゆる表示形態の広告がでてくる。無料で文を置いているので意見する身分…
5.0 真田広之は『SHOGUN将軍』のエミー賞受賞ですっかり時の人になった。ふしぎなほど(日本へ)戻ってこない人だったから特大の成果が出てよかった。安堵した。 侍の話なのに外国人にウケるつくりになっていることが賛否になっていたが映像作品は俗受けこそ…
2.0 沙織里(石原さとみ)は必死さをだそうとしているのがわかった。が、必死さをだそうとすることと、必死に見えるのはちがった。 砂田(中村倫也)は局の方針に疑念をもつ情け深い記者──という設定だが、昨日今日番組づくりをはじめた──わけでもない局内で…
3.6 まず売春と薬物常習者である杏(河合優実)が描写される。底辺な生活環境と、母の春海(河井青葉)の毒親ぶりも併せて描かれる。個人的に日本映画の壮絶人生描写には、はいはい悲惨ですね──という印象しかおぼえない。日本映画の、なんか衝撃を与えよう…
4.0 誰に対しても「あんたがわたしを知ってるってだけで腹が立つ」と面責する老人が「あれ、おじさん昨日もパコのほっぺにさわったよね」に感化されて自省する、言わば不機嫌な老人が少女の純真に溶かされる話。極彩色で諧謔的だが完璧主義の中島哲也のコン…
3.1 10年ぶりの──という謳い文句だが、行き当たりばったりみたいな筋書きと派生みたいな出来事で構成された猟奇殺人の話。82歳にしていつものダリオアルジェントだった。日食、盲目、白杖、アグレッシヴな盲導犬、水蛇。ディティールに相関性はなく、唐突で…
4.0 Jeremy Saulnierが書いて製作も編集も監督もやっている。やはりSaulnierが書いて監督したBlueRuin(2013)やGreenRoom(2015)をよく覚えている。独特でギリギリで苛烈なアクションスリラー。主要人物を絶対絶命or四面楚歌なシチュエーションへ落とし込…
3.6 日本語脳で考えると頭の中の話なんだからインサイドヘッド。 邦題に文句をたれることがよくあるが、これは邦題のほうがしっくりくる。 しかし、それならinside outってのはどう訳したらいいのか。検索して意味を見ても分からなかった。 inside outは片耳…
3.8 サイダーハウスルールは超簡単に言うと妊娠中絶が道徳的に間違っていると考える若者が、実際に世の中を体験して、それが必要なものだと知る──という話です。 セントクラウドはラーチ博士(マイケルケイン)が院長をつとめる孤児院兼産院です。博士は望ま…
お好きな方はスルーでお願いします。多数の人にとっての愉しみがじぶんにとって苦しみであるということがあります。この映画を見ることは苦痛というより拷問でした。それなら見なければいいのですが、これが面白いという感性が中央値であることは、衝撃かつ…
4.0 ネタバレ有り
3.8 獣を擬人化させてしゃべるやつではなく、かわいいで釣るペット映画でもない。猫の視点にカメラを下げると、その肩越しに人間界の雑踏が見える。 オスマン朝が興隆したとき下水道が配備されたがそこへネズミが繁殖し地上へ出ては民家を荒らすようになり、…
2.8 ジェラルディンヴィスワナサン見たさで。タミル人の血が入っているそうだがアラブ世界の気配。お目目ぱっちりでぽちゃ。Melissa Barrera似の今世紀を勝ち抜ける濃厚めりはり顔だと思う。コメディに親近性があり目を見開くとそれだけで楽しかった。 加え…