津次郎

映画の感想+ブログ

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

愛しのべス・クーパー(2009年製作の映画)

3.5映画をけなすことがよくある。 映画があり、映画批評があるなら、毀誉褒貶があるのはとうぜんだが、人様がいっしょうけんめいつくったものに、好き勝手なことを言っているじぶんは、ひきょう者だと、ときどき思ったりする。 匿名性に守られて、好き放題な…

あの夏 深呼吸の必要 (2004年製作の映画)

4.0おそらくだれもが、映画やドラマの出演者や配役をみて「なんでこのひとが」と疑問になる。ことがある(ひとがいる)にちがいない。 「なんでこのひとが」を身も蓋もなく具体的に言ってしまうと「なんでちっとも魅力のないかれ/かのじょが(またしても)こ…

バイオレットエバーガーデンじゃないぞ ヴァイオレット・エヴァーガーデン (2018年製作のアニメ)

1.0なまいきなレビュワーですが逆張りはしません。(世間様の大多数意見にたいしてワザとあまのじゃくな意見をすることはありません。)(したところでなんの影響力もない過疎レビュアーですし。) 日本じゅうどころか、せかいじゅうの人々がほめているヴァ…

砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

1.0むかしからよく見る英字4文字の監督。(ちなみにこの名前見るたび同じ音のゲイ雑誌思い浮かべます。)長いキャリアだけど演出はへた。しかもみょうに賞に媚びたアートな作風。幸福の鐘蟹工船MissZOMBIE天の茶助・・・お粗末さにそぐわない気取り、なんか…

パリ20区、僕たちのクラス(2008年製作の映画)

4.0母校は学校教師を多く輩出している。それゆえ同級会などで教職の多難を聞く機会があり、かれらのご苦労を知っている。 教員の不祥事のニュースを見ると怒りがこみあげてくる。が、同窓が苦労しているのを知っているので、相殺して、ばかな教員が教職の風…

どこまでも固執する女 セイント・モード/狂信 (2019年製作の映画)

3.5物語を創作するばあい、日常を書いても、おもしろくないので劇的にする。劇的にすると、日常性が失われるので、ホラーってことにする。だから映画作家のキャリアスタートがホラーなのは理にかなっている。 ホラーにくふうを凝らすことで、アスターやワネ…

映画学校での体験 スーヴェニア 私たちが愛した時間/ザ・スーベニア 魅せられて (2019年製作の映画)

3.3映画学校に通う女学生ジュリー。映画をつくろうとしている彼女の日常を散文風につづっていく。アパートをシェアしていた友人が去ったところへ、外務省に勤めていると自称するアンソニーがあらわれ、世間知らずの彼女に寄生する。純情なジュリーはヘロイン…

はるヲうるひと(2020年製作の映画)

1.0佐藤二朗が原作、脚本、監督を担当し、出演もしている。著名人にたいしてがっかりしたと言う人がいるが、いみがないと思う。が、がっかりした。佐藤二朗の笑いにはツボる。だから、なんとなく洒脱なものも期待して見たのだった。ぜんぜん違った。ただのザ…

アンチアンチエイジング アデライン、100年目の恋 (2015年製作の映画)

3.8じぶんが50歳になったら、50歳らしく生きているだろう──と思っていた。いや、そもそも、若いときには、じぶんが50歳になったときを想像はしない。若さとは、そういう思慮をする時期じゃないので。 でもなんとなく、じぶんが年を食ったら、それなりに相応…

クラシック・ホラー・ストーリー(2021年製作の映画)

2.0せかいじゅうのコンテンツが見られるネットフリックスなどのストリーミング配信サービスが日常化して、米英や韓国がドラマや映画をつくる技量に秀でていることがわかった。(──もとからわかっていたけれどもっとドラステイックに巧拙が露呈した。) それ…

サムワン・インサイド(2021年製作の映画)

2.513金やスクリームやフィアストリートのシリーズあるいはハッピーデスデイやザスイッチ──(アメグラやジョンヒューズ的)学園とシリアルキラーの組み合わせは定石。でもつくられる。わりと見たくなる。ふしぎに惹かれる組み合わせ──だと思う。Mark Duplass…

ダウントン・アビー(2019年製作の映画)

3.5連日皇室の結婚話が燃えている。輩がじぶんとはまったく関係のない人様の結婚に介入している理由(優位性をかんじて叩いている理由)──は税金である。マウンティングをとるために、百姓一揆があった時代のような「けつぜい」というコトバに代替している。…

ノー・ウェイ・アウト(2021年製作の映画)

2.5ホラー映画の主人公は執心やわだかまりを持っている。ことが多い。そして、敵となるモンスターが、彼/彼女のなかにあるその執心そのもの──を投影していることが、よくある。本作の主人公も母親が亡くなったことと、メキシコからクリーヴランドに移住した…

アメリカの家族の典型とは? アメリカン・ビューティー (1999年製作の映画)

3.0ユージュアルサスペクツのレビューに、世評が高いけれど、じぶんには面白くなかった──と書いたが、これもそんな映画のひとつ。アメリカンビューティー(1999)。 1917のサムメンデス監督のデビュー作として知られimdbが8.3(!)。rotten tomatoesでも87%…