津次郎

映画の感想+ブログ

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ホームレスワールドカップ ドリーム 狙え、人生逆転ゴール! (2023年製作の映画)

3.3 ホームレスワールドカップを知らなかった。ウィキやオフィシャルサイトをのぞいたがまともなイベントだった。それ自体がドラマチックなのでホームレス状態からフィールドを駆けるところまでのドキュメンタリーがいくつか作られている。とうぜん映画にも…

速いは強い ザ・フラッシュ (2023年製作の映画)

4.0 <ネタバレあり> ほかのヒーローの冠映画でいちばん速いってことはフラッシュがいちばん強いのではないかという懐疑をもつことがあった。走り出すとみんな止まっているわけだから、なんでも細工できる。冒頭で高層ビルから障害物や危険物とともに落っこ…

くさすぎ 天間荘の三姉妹 (2022年製作の映画)

1.0 『臨死状態の魂が天に昇るか、地上に戻るかを決めるまでの間を過ごす、天空と地上とを繋ぐ宿「天間荘」を舞台としている。』(「天間荘の三姉妹」ウィキより) 災害でなくなったはずの街とそこの人々が、天間荘のまわりでは続いている。──という話だが、…

VHSの時代 いとこのビニー (1992年製作の映画)

4.0 良作ではあったが名画とまではいかない。だけど同時代の人でいとこのビニーにしっかりした記憶を持っている人は多いと思う。ベストにあげるほどじゃないがみょうに懐かしい。 『goodではあったがgreatではなかったにもかかわらず(Despite the good-but-…

居そうで有りそう 花束みたいな恋をした (2021年製作の映画)

3.7 有能なクリエイターがつくっていることが解るできだった。やっぱり映画ってまぐれや気合いでいいものができたりしない。技術習得や台詞推敲の積み重なりだと思った。 現場で研鑽をつむのでテレビからきた人のほうが映画も巧い。近年いいと思える映画はテ…

多様性 ニモーナ (2023年製作の映画)

3.3 ニモーナは映画内世界の神話にでてくる獣だが実態は子供。受け容れられると大人しいが疎外されるとむくれる。人から邪魔扱いされてニモーナはグレた。騎士団から放逐されたバリスターとコンビを組む。友達かどうか解らないが少なくとも嫌われものどうし…

宮崎駿版夢 君たちはどう生きるか (2023年製作の映画)

3.0 ネタバレあり

代用になりえるのか アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド (2021年製作の映画)

3.5 ダンスティーヴンスが美男のアンドロイド役。スティーヴンスは靴職人と魔法のミシン(2015)でもアンドロイドじゃないが美男代表みたいな感じででてきた。イギリス人だが新顔としてアメリカへ進出したThe Guest(2014)からスティーヴンスは置き物風な美…

ひねりすぎ バード・ボックス バルセロナ (2023年製作の映画)

2.3 つまり主人公の男は亡くなった幻影の娘にそそのかされて、細々と生き延びている小コミュニティを見つけてはそれを壊滅に追いやっている──わけである。 なんでそんなけったいな話にしちまった? 作者兼監督のDavid PastorとÀlex Pastorを検索したらCarrie…

降霊はマジでやってね ズーム/見えない参加者 (2020年製作の映画)

3.6 アメリカのストリーミングサービスでShudderというのがある。ホラー専門のNetflixみたいなものだと思うが、英語圏へ事業拡大しているものの、多言語へのローカライズはない。VPNを介さずにshudder.comへ行くとSorry, we are not available in your count…

五代目ボンドと ギリ義理ファミリー (2023年製作の映画)

3.2 歴代007のなかで誰が?の問いをすると半分はコネリーになる。じぶんもそうだ。だが甘軽で非マッチョなロジャームーアがいいという人も一定数いる。またカジノロワイヤルからプロダクトがブラッシュアップされたのでダニエルクレイグがいいという人もけっ…

こみあげてくる嫌悪 アングスト/不安 (1983年製作の映画)

3.2 カルトになっていてカメラワーク、Erwin Lederの演技、ナレーション、サウンドトラックなどがプロパーから賞賛されている。今ではカメラが小型化しブレ補正も進歩しているので身体にくっつけて顔を近接でとらえる体幹と連動するようなカメラはよく見られ…

振り回す女 わたしは最悪。 (2021年製作の映画)

3.4 奔放な女性の遍歴。 古い引例だが結婚しない女みたいな映画だった。が、経年分表現は尖っていた。女性もジルクレイバーグほど柔和じゃなかった。 その時、自分を輝かせてくれる男がすきになる女性。直感で別れたり、さらりときついことを言ったりする。…

赤くなる人はムリ アナザーラウンド (2020年製作の映画)

3.7 (コロナきっかけでお酒をやめたが)かつてはお酒を飲み、お酒を飲んでいるときここのレビューを書くこともあった。 飲むと気持ちが大きくなるのでそれは文にもあらわれた。酔っているとたいがい文がなれなれしくなった。 酔いによって希望的観測が増長…

やるせない 英雄の証明 (2021年製作の映画)

4.5 別離/ある過去の行方/セールスマン/誰もがそれを知っている──を見たことがあるがいずれも進退や善悪の定まらないどっちつかずの状況に撞着して「じゃあどうすりゃよかったんだよ」と言いたくなるような人間の深いところを描いてみせる作風だった。 とい…

あたた Mr.ノーバディ (2021年製作の映画)

3.9 ジョンウィックを書いている人がつくってHardcore Henryの演出家が監督したアクションスリラーというかアクションコメディ。 さえない中年、いけてない父親だがほんとは最強の暗殺者。最強の強はむしろ凶に変換したいほどだが、Derek Kolstad(ジョンウ…

強面たちの応酬 ジェントルメン (2019年製作の映画)

3.6 The Gentlemenはガイリッチーのなかでもロックストック~やスナッチとおなじ文法をもったいわばガイリッチー原点回帰作品になっている。──そうだ。 登場人物が状況を語る構造でワルたちのたくらみと争いが描かれるそれらのガイリッチープロトタイプは海…