津次郎

映画の感想+ブログ

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

幸せのちから(2006年製作の映画)

4.5第94回アカデミー賞(2022/03/27)でクリスロックに妻を揶揄されたウィルスミスが登壇してロックをなぐった。めずらしい画だった。異国のスターの出来事だが、なぜかとてもドキドキした。 その時事に寄せて、この映画のレビューをしているのだが、ウィル…

Baby you can ドライブ・マイ・カー (2021年製作の映画)

4.3原作は未読ですが映画のために構築された──となっていました。 『村上春樹の同名小説「ドライブ・マイ・カー」より主要な登場人物の名前と基本設定を踏襲しているが、同じく村上春樹の小説「シェエラザード」「木野」(いずれも短編集『女のいない男たち…

近接なカメラ たかが世界の終わり (2016年製作の映画)

4.0ヘンな感覚の映画だった。 とりあえず内容を置いても、見え方(撮影方法)からして、顔のアップでずっともっていくので、世界がとらえられなかった。 (常に顔のアップなので)住居や調度や昼夜や体型や姿勢や各々の位置情報や食事の内容がわからない。く…

アイデンティティの話 アメリカン・ガール (2021年製作の映画)

2021年製作/101分/台湾原題:美國女孩 American Girl 3.3北京オリンピックでの谷愛凌(Eileen Gu)の活躍は記憶に新しいと思います。中国に金メダルをもたらしましたが、国籍については明言をさけていました。そのことがいいかわるいかはともかく、見た目…

Paranormal Activity: Next of Kin パラノーマル・アクティビティ7 (2021年製作の映画)

2.8アメリカ映画のばあい旧タイトルがブラッシュアップされることがあります。たとえばダークナイト以前のバットマンはスーツアクターがかつやくする娯楽映画──というポジションでしたが、ジョーカーの邪悪やヒーローの苦悩が描かれることによって大人向けの…

豪腕な演出 白ゆき姫殺人事件 (2014年製作の映画)

5.0日本映画をこきおろすことが多いですが例外もあります。テレビ出身の職人型監督と是枝裕和、中島哲也、李相日、原田眞人・・・工匠なタイプの監督は敬愛しています。中村義洋監督もそうです。 判断基準は演出力です。演出家が演出がじょうずであることは…

声優選びに疑問あり 竜とそばかすの姫 (2021年製作の映画)

3.3細田守は宮崎駿や新海誠にならぶすぐれたアニメ作家だと思っていますが声優の配役には多少疑問がありました。 わたしは田中裕子のエボシ御前や美輪明宏のモロ小林薫のジコ坊、木村拓哉のハウルも倍賞千恵子のソフィーも敬愛していますが、細田守のばあい…

ブラック・クラブ(2022年製作の映画)

2.6ノオミラパスをはじめてみたのはゆうめいなドラゴンタトゥの映画ではなく、ローリングストーンズのDoom and GloomのPVです。Parental Advisoryになっていてぶっこわれた感じの動き/だんすをしていました。気になってしらべたらリュックベッソンが監督して…

きほんてきにキムタクはかっこいい マスカレード・ナイト (2021年製作の映画)

4.0テレビ業界と映画業界があって、じぶんがよくけなす「日本映画」は映画業界に属している──と思っています。 テレビ業界のひとたちも映画をつくりますが、それらは映画業界のひとたちの映画よりもずっとクオリティが高い──と思っています。 じぶんだけでな…

アニメ版 ジョゼと虎と魚たち (2020年製作の映画)

3.0ジョゼと虎と魚たちは田辺聖子の短編小説です。わたしはけっこう映画を見ますがしょうじき読書量が少なく原作を読んでいる映画は稀です。が、これは読んだことがあります。 (わたしは田辺聖子の熱心な読者ではありませんが)田辺聖子は芥川賞も吉川英治…

母の強さ クワイエット・プレイス 破られた沈黙 (2021年製作の映画)

3.6前作クワイエット・プレイス(2018)は手放しの絶賛で批評家に受け容れられました。 じぶんはしばしば映画の評価をIMDBやrottentomatoesでかくにんします。 クワイエット・プレイスのトマトメーター(批評家評)は96%でモンスターパニック映画として異例…

デンマークの視点 その瞳に映るのは (2021年製作の映画)

4.01945年、英空軍によって実際におこなわれた作戦を描いています。想像を上回る悲惨な話でした。この惨禍の認知度がひくいのは西側の過失だからだと思います。被害者の子供らはナチスの教化下にありました。戦後、枢軸が悪と定義され、連合側の失策が積極的…

アダム&アダム(2022年製作の映画)

3.3タイムトラベルで過去のじぶんには会ってはいけない。──比較的よく知られているSFのルールだと思いますが、本作では会うどころか一緒に過去へ行ってたたかいます。邦題(アダム&アダム)は大人の大アダムと子供の小アダム──のふたりをあらわしていると思…

社会問題に寄せる となりのチカラ (2022年製作のドラマ)

4.0それぞれタイムリーな問題をかかえた住人たちを主人公チカラが話毎じゅんばんにかかわっていく。 住人の問題は虐待や認知症や外国人労働者や親子の争いなど・・・。 毎話、優柔不断だけどお節介なチカラが、逡巡しながら他人とかかわり、解決とは言えない…

やっぱ異能+少女はつええ ノット・オーケー (2020年製作のドラマ)

4.0いまごろ見たからいまごろだが、なんかのりゆうで撮影が頓挫している。製作再開を願って署名活動もあるらしい。じっさい、いいところで途切れている。気になってしかたがない。 ソフィアリリスがいい。ちいさな体躯にくしゃくしゃのショートヘア。そばか…

修羅場芸 捨てがたき人々 (2012年製作の映画)

1.0ユーチューブにじぶんのしゅみに合った動画が並んでいますか? 『ユーチューブのホーム画面に出る動画は、あなたの再生履歴や検索履歴などのデータから、あなたの興味がありそうな動画を判別し、出現させています。』──とのことですが、ほんとですかね。 …

フランクおじさん(2020年製作の映画)

4.0肉親でも無理なことは無理。親だろうが兄弟/姉妹だろうが、けっきょく、じぶんとはぜんぜん違う人間だから、それを認めなきゃいけない。 悲劇なのは、親とじぶんがぜんぜん違う人間だ──ということを知るのが大人になってから──ということ、だと思う。 こ…

彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

5.0BBCおよび帝国戦争博物館が収蔵する第一次世界大戦に参戦した英国退役軍人、百数十名分のインタビューに基づくドキュメンタリー。 募兵に呼応し6週間の訓練を経て前線へ。生々しい戦闘から終戦、復員までをインタビューとカラー化した当時の映像で追って…

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.6異色な007作品だと思う。その苦渋を感じる。しっかり魅せるけれど、やっぱ寂しかった。 そんななかでいっときだけ超たのしいのがアナデアルマスの登場場面。 ボンドとの共同ミッションで腕試しされるCIA研修生パロマ。パーティーなのでドレス姿。釜山映画…

パイレーツ:失われた王家の秘宝(2022年製作の映画)

3.0ネトフリで見つけたハン・ヒョジュのひさびさの冠映画!いつものおしとやかな印象とは打って変わった鉄火肌の姉御、荒くれ男達をしたがえ、いつになく精悍でした。美白も褐色にしていたのでクレジットを見ていなければヒョジュと解らなかったかもしれませ…

虐殺と戦争の闇 アイダよ、何処へ? (2020年製作の映画)

4.0U-NEXTの新規入荷にあったので見ました。スレブレニツァの虐殺を描いた映画。知らなかったので調べました。 『1995年7月11日ごろから、セルビア人勢力はスレブレニツァに侵入をはじめ、ついに制圧した。ジェノサイドに先立って、国際連合はスレブレニツァ…

映えまくるキャラクター 梨泰院クラス (2020年製作のドラマ)

4.0TheWitch魔女(2018)の女優(キムダミ)が最初に出てくる。が、韓国ドラマらしく長めの前段がある。 梨泰院という言葉を知らなかったので調べたらソウルの一区画名だった。外国人が多い歓楽街という感じのところ──らしい。そこを舞台に、学園からノワー…