津次郎

映画の感想+ブログ

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

濡れ場もなにもかもが長い ジョー・ブラックをよろしく (1998年製作の映画)

3.2かつて話題になったが終ぞ見ていなかった。ミッドナイトランという映画が好きでマーティンブレストにウォルターヒルのような乾きやアクションを期待したが、これは濡れっぱなしのラブストーリーだった。映画そのものも長く、情交シーンも長く、寄ったカメ…

音声スキャンで書かれた 潜水服は蝶の夢を見る (2007年製作の映画)

4.0正直なところ、片眼球しか動かない四肢麻痺の患者にたいして、ここまで献身的なことに感心した。よく知らない世界だが、もっと素っ気ない待遇をされるような気がしたからだ。ましてあの方法で本を書かしめたことに驚いた。とうぜん財力にも依るのだろうけ…

切実な反骨精神 ルディ・レイ・ムーア (2019年製作の映画)

5.0ブラックスプロイテーションと言えば日本ではこまっしゃくれた映画愛好家が能書きをたれるカルトだが、この映画を観ると、かれの動機が切実で原始的なことがわかる。 カルトとは観衆が見いだすもの──である場合が多い。ロッキーホラーショーしかり。The D…

まさにこれからブレイクするふたり いま、輝くときに (2013年製作の映画)

4.0マイルズテラーとシェイリーンウッドリーがブレイクした映画。すなわち、映画のなかでこれから世界に向かって羽ばたこうとする若い二人と、現実で役者として注目を浴びることが同時に起きている。それがこの映画の瑞々しさを突出したものにしている。 マ…

厨二的生意気を手堅くまとめる 響 -HIBIKI- (2018年製作の映画)

3.5平手友梨奈には反抗とか青春のRAGEのような雰囲気があり、それがこの映画の主人公と合致していました。アイドル平手友梨奈も、原作の鮎喰響も、創られたキャラクターですが、適役の感がありました。おそらく、ミスキャストを回避している珍しい──コミック…

「変」に迫真を ロブスター (2015年製作の映画)

4.0荒唐無稽な設定、というものがある。 一所に集められた他人同士が殺し合うバトルロワイヤルみたいなのとか、鬼ごっこで殺し合うやつとか、人狼を探すのとか・・・みんな同じだろ、とも言いたいが、少しずつ異なっているらしい。ただ、映画となるとどれもB…

つたなくて未熟。天才?ばかにすんなや わたしたちの家 (2017年製作の映画)

【突然変異的に現れた天才映画作家による清新で鮮烈なる劇場デビュー作】清原惟監督『わたしたちの家』2018.1.13(土)渋谷ユーロスペースほか全国順次公開!!https://t.co/ihIRlDKVGl■第39回ぴあフィルムフェスティバル「PFFアワード2017」グランプリ受賞■第69…

保安検査通過のお手本 マイレージ、マイライフ (2009年製作の映画)

4.0アメリカの都市型ホテルではビジネスやライフスタイルの小ネタ講演会が毎日のようにスケジュールされている。講師は客員ではなく、この映画のライアンビンガム(ジョージクルーニー)のように、そこに泊まっている現役ビジネスパーソン。講師としては素人…

人生ではじめて見た映画 レイズ・ザ・タイタニック (1980年製作の映画)

3.0初めて映画館で観た映画がタイタニックの人は多い、と思う。 タイタニックよりも17年昔、私が生まれて初めて映画館で観た映画はこれだった。当時、お正月の全国ロードショーで大々的に宣伝されていた。ポスターが伝えていた見所は、浮上する巨大客船のス…

まいどのこけおどし 愛なき森で叫べ (2019年製作の映画)

2.0策士と、彼に嵌められた人たちが翻弄され、赤軍の総括や嘱託殺人のように混沌としてゆく様子が描かれている。 人物は過剰だが、想定の内側にある。奇矯を気取ってはいるものの、普通の悪人であって、意外な方向へは進まない。さんざん狂乱は見せられるけ…

内幕の雰囲気が楽しい グッドモーニングショー (2016年製作の映画)

4.0テレビ番組製作の内幕──そこで働く人たちの躍動がリアリティに溢れ、それに加えて、ぐいぐいな演出が瞠目だった。面白くて、びっくりした。 wiki見たら君塚良一は踊る大捜査線シリーズを手がけた監督だが、主にテレビ畑の来歴だった。祈りの幕が下りる時…

出番はもはや始球式だけ 貞子 (2019年製作の映画)

1.5ハリウッド進出もいまいちで、それから自分が観たかぎりですが、クロユリ/モンスターズ/劇場霊/ホワイトリリー/終わった人/スマホを落とした~/殺人鬼を飼う女・・・どれも、しょうもない映画でした。映画監督という職業はひとつふたつ傑出していると、あ…

ブラッシュアップした チャイルド・プレイ (2019年製作の映画)

3.0チャイルドプレイなんて見んでもわかる気がするのだがオーブリープラザのクレジットに惹かれた。オーブリープラザは変で楽しい女優だが、シリアスムードには向かない。必然的にホラーも向かない。だが、コミカルな妙味になる。はたして嵌まりのシングルマ…

かっこいいキムタク マスカレード・ホテル (2019年製作の映画)

4.1刑事がホテルマンに扮して潜入捜査をする。この設定には心躍るものがあった。キャスティングも当代きって人気者で、映画館でトレーラーを見たときから、見たい度が高かった。 散髪をしてオールバック風にしてビシッと制服を着たキムタクが超かっこよかっ…