津次郎

映画の感想+ブログ

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ペット・セメタリー(2019年製作の映画)

2.9昔から見るタイトルである。80年代にも映像作品があったと思う。かんがみればスティーヴンキングは、80年代からこんにちまで、ずっと映像作品原作の旗手である。 80年代。スティーヴンキング原作と言うと、かならず(かならずです)「かれは向こう(アメ…

女優たち(2020年製作の映画)

1.0新型コロナウィルス禍下で、わたし/あなたが、ことさらにじぶんの窮状をうったえない理由はこれが(この惑星)ぜんたいの禍だから。 局地的なこと、たとえば、身の回りでおこった自然災害や火事や交通事故や犯罪などについては、それを喧伝したり、扶けを…

約束のネバーランド(2020年製作の映画)

1.0漫画は読ま/見ないひとです。この原作も知りません。 漫画であれば、陳腐ではない──のだろう。映画になっていると「それがどうした」と言いたくなるくらい阿呆らしい内容──だった。 怪物の餌(子供)を育成している施設の話──だと思う。様式がある。洋館…

草薙素子の魅力とは 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX (2002年製作のアニメ)

4.5わたしはアニメにくわしくはない。テレビ等で続き物のアニメを見ることはなく、映画か、映画のようにまとまった形になっているものしか見たことがない。高名な宮崎駿、新海誠、細田守、押井守らのアニメを普通に好んでいる。──が、それをアニメだと思って…

いたいたしくてあわれ 朝が来る (2020年製作の映画)

1.0河瀬直美には、なんかがあるような気がしていた。寡作な印象があるが、wikiページを見ると1992年から年一ペースで、映画をつくっている。すごいキャリア、かつ多作だと思う。ただ、作風が地味なので、公開規模は狭かったと思われる。カンヌをとった殯の森…

短編集の終章 ザ・デッド/「ダブリン市民」より (1987年製作の映画)

5.0ダブリン市民はジェイムズジョイスという人が20世紀のはじめに書いた。それ以外のことはとくに知らない。わたしは高校生のとき読んだ。同じ頃ジョンヒューストンがダブリン市民のなかでもっともゆうめいな篇、死せる人々を映画化し、撮り終えてすぐに亡く…

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ(2021年製作の映画)

2.7裏窓オマージュだろうか、詳しいことはわからないが、裏窓(だと思われる)シーンが(かなり唐突に)挿入されていた。 裏窓を意識しているなら、建物と、主人公が覗く位置が、もっとわかりやすくてもいい。俯瞰がないので、どこからどこを覗いているのか…

ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

3.2もっとも見えるポイントはスターオーラの払拭。Amy Adamsといえば魔法にかけられて──の、現代に迷い込んだおとぎ話のお姫様であり、アメリカンハッスル、メッセージでも、育ちのいいきれいな人だった。そのイメージを取っ払って、無化粧で髪もボザボサ、…

構図至上の映画世界に浸る 犬ヶ島 (2018年製作の映画)

3.0いっぱんじんならば、映画を好きだといっても、べつに誰かと映画について語り合うわけじゃないし、好きな映画がどれか公表することもないわけです。(リアル世界で)学生のころは、そんな機会もありましたが、それにしたってまれなことでした。 そうする…

いわゆるいれかわりもの ザ・スイッチ (2020年製作の映画)

3.5Kathryn Newtonでググったら、子役からのひとで、人気者らしく、セレブでもあった。コマーシャルモデルやドラマによってあちらでは知名度の高いひとだった。 昨年(2020)、原題「Freaky」でトレーラーがで出回ったときから、この映画を見たかった。女の…

80年代のプロモーションビデオへの懐かしさ ラブソングができるまで (2007年製作の映画)

4.0MTVや、小林克也やピーターバラカンがDJをやっていたプロモーションビデオの紹介番組を食い入るように見ていた洋楽厨のわたしに、この映画は刺さった。 80年代のプロモーションビデオは(愛すべき)稚拙や誇張があり、時代を感じさせてしまうものが多かっ…

素なのにおしゃれ 真夏の夜のジャズ (1959年製作の映画)

5.0imdbでも8をつけていて、日本でもむかしからジャズの好きな人々や、山の手の文化人に賞賛されていた。わたしは田舎の百姓だが、わかいころは厨二で、スノッブな文化人の影響下にあり、釣られて見たのだろう。 映画は1958年のNewport Jazz Festivalのよう…

とってつけた多様性 おいしい家族 (2019年製作の映画)

1.0(このレビューには偏見や憶測があり、公正ではありません)若書きというものがある。きょうび、なろう系とも言う。この国、映画では、なろう系でも、世に出られる。これは皮肉というより、アーティストで生きたい人向けの朗報です。映画なら交遊パイプと…

郵便屋(1995年製作の映画)

2.5いまネットフリックスをはじめ、さまざまストリーミング(動画配信)サービスがあり、いろいろな映画を、定額で見ることができる。 それらは新型コロナウィルス禍下の巣籠もり需要も手伝って、利用率も加入者も伸びていると思われる。 わたしもそこで映画…

密航者(2021年製作の映画)

3.0こういった道徳的ジレンマの映画は、映画の実質のクオリティと、ストーリーから感じてしまう気分が天秤にかけられる。つまり、すぐれた演出演技でも、展開・顛末が引っかかって楽しめない──みたいな事態が起こったりする。 たとえばベンアフレックの初監…