津次郎

映画の感想+ブログ

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

弥増しヘレン プリティ・ヘレン (2004年製作の映画)

3.0昔だが、兄がこんな話をした。 兄は地方とはいえ中核都市に住んでいて、そこに都市にあるゆうめいな高級レストランの分店が出店した。で、新しもの好きの兄は、奥さんの誕生日にかこつけてそこを利用したのだった。レストラン側にも(妻の)誕生日が伝え…

笛を吹く少年 大いなる幻影 (1937年製作の映画)

5.0おそらく誰もがエドゥアールマネの絵画「笛を吹く少年」を見たことがある──と思う。真紅のズボン。黒いチョッキ。黄色い装飾がある略帽をかぶり、笛筒を肩に提げ、横笛を吹いている。──あどけない顔立ちの少年。 なぜ、見たことがあるはずと言ってしまえ…

奇妙なブラジルの風俗ロマンス バクラウ 地図から消された村 (2019年製作の映画)

4.0ウドキアにソニアブラガ。古い名前をみつけたので、古い映画とおもいきや、けっこうあたらしい。(2019)。ウドキアがいるなら底等級映画だろう──と思ってimdbを見たら7超え。しかもブラジルの映画。興味をそそられた。 荒原の小集落バクラウ。背景がよく…

私を信じて -リサ・マクヴェイの誘拐-(2018年製作の映画)

2.5近年女性においてコンパクトな体躯の勃興を感じる。レディガガもアリアナグランデもアギレラやラヴィーンもちっちゃい。女優でもスカーレットヨハンソンアナケンドリックエミリアクラーククリスティンベルetc・・・ちいささをかんじるひとが多い。日本も…

うつろいの標本箱(2015年製作の映画)

1.0むかしから教職の欠点として「社会経験がない」ことがしばしば指摘される。日本では義務教育→教育学部を経て、エスカレーター式に「先生」になれてしまう。かれらのほとんどが働いたことがない。働いたことがないひとが、青少年を教育する──わけであって…

全裸監督 シーズン2(2021年製作のドラマ)

1.0その時代の人たちは、あたかも激動の時代を生きてきた──かのように「懐かしいなあ村西とおる」とか言います。 だまされてはいけません。村西とおるが流行っていたのは、バブル期です。いま10代20代のみなさんより、ずっと安楽な時代だった。 そんな安楽な…

スイッチ(2020年製作のドラマ)

2020年/ドラマ/スイッチ https://amzn.to/3MKEBX9 4.5坂元裕二に「おっ」となって見た。坂元裕二は面白い。 日本のばあい、面白いドラマと面白くないドラマが、かんぜんに並列になる。うまく言い得るか解らないが、世論のなかで、どうしようもない拙作と、す…

ループするラブコメ パーム・スプリングス (2020年製作の映画)

3.5ブラックミラーの宇宙船カリスターでジェシープレモンスとともにひときわ目を惹いたのがクリスティンミリオティだった。誇張なしでアリータ(バトルエンジェル)にでてくるサイボーグのように目がおおきい。且つ音がしそうなほど濃い顔立ち。(リバーデイ…

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ (2016年製作の映画)

3.5見てからだいぶ経つが、この映画におやっとなったのは監督のクレジット。映画を遡って、サムペキンパーを履修した人なら、かならずロジャースポティスウッドという名を見かけたはずである。ただし、いつ見ても、だれの映画で見ても、ずっとエディターだっ…

ペットと人の絆 パグ・アクチュアリー ダメな私のワンダフル・ライフ (2018年製作の映画)

2.8とりわけ、日本での評価が高い海外映画がある。その理由が(なんとなく)わかる気がする。 個人的な見解だが、その理由は萌えによるところが大きい。と思う。かわいいの押し出しがあると日本でウケる。 かわいいを小動物に依存したばあいも、日本ならいけ…

AWAKE アウェイク(2021年製作の映画)

2.3Gina Rodriguezという女優さんをはじめてみた。けんさくしたら、本国ではかなりな人気者。チャリティや慈善活動など、篤志家としても高名。とりわけ、ご自身の出自でもあるヒスパニック系アメリカ人から絶大な支持がある。 庶民的な容貌。女優さんで(そ…

ブルックリン(2015年製作の映画)

3.7ブルックリンのプロモーションポスターは煉瓦壁にもたれている画の他に、イースト川とブルックリンの町並みをバックに、ぐっと寄って撮られたSaoirseRonanが遠い目をしている絵面のがある。 吸い込まれそうな青い目、透き通るような白い肌、きりりとした…

エイクロイドとベルーシ ネイバーズ (1981年製作の映画)

3.5ベルーシとエイクロイドがいるなら、はちゃめちゃをやるのはベルーシであり、まじめな幕下となるのがエイクロイド──のはずである。エイクロイドが単独ならば、エイクロイドは堅も柔も演じるが、コンビ的にふたりいるなら位相は決まっている。 ──はずなん…

こけおどし サニー/32 (2018年製作の映画)

2.0ピエール瀧って、プロパー外で演技未経験なのに、とんとん拍子で、起用頻度の高いバイプレイヤーにのし上がったわけだが、それがなぜなのか──考えてみた、ことがある。たぶん、顔がいいから、だったと思う。世間にはいわゆる「いい顔」という漠然とした定…

映画チーズ・イン・ザ・トラップ(2018年製作の映画)

2.0主人公の男優(パクヘジン)の鼻梁(びりょう)がすごい。びりょうのりょうはハリと読む。梁とは、柱の上で横に渡して天井を支える木のこと。まったくのところ、かれのびりょうは、梁だった。渡している──としか言いようがなかった。 西洋人の顔は、額か…

大人度のちがい 燃ゆる女の肖像 (2019年製作の映画)

5.0不遜なことかもしれないが、映画レビューに「めちゃめちゃ面白かった」と「好きすぎる」を見ると、なんか日本人やべえなと思う。むろん、これは、ブーメランにもなりえる、じぶんを差し置いた失礼な意見だが、あなたはオンラインに居並ぶ何億もの「かわい…

スイート・トゥース:鹿の角を持つ少年(2021年製作のドラマ)

4.0He has a sweet toothで、かれは甘党です、になるらしい。日本人の短絡的な英語理解では、甘い歯を持っていますが甘党ですにはならない。くぅ。えいごわかんねえ。だけど(なんか)カッコよくてくやしい。──と思った。 このドラマの主軸となる三人、ビッ…

アーミー・オブ・ザ・デッド(2021年製作の映画)

3.4こんにち、ゾンビが描かれるばあい、どんだけ変化球させていて、その変化球が暴れずに、しっかり物語におさまっているか──が脈所になる、と思う。 ゾンビは今(2021)から半世紀むかし1968年に発明された。よもや、どこの国のどんなおばかさんといえども…