津次郎

映画の感想+ブログ

スイート・トゥース:鹿の角を持つ少年(2021年製作のドラマ)

スイート・トゥース:鹿の角を持つ少年

4.0
He has a sweet toothで、かれは甘党です、になるらしい。日本人の短絡的な英語理解では、甘い歯を持っていますが甘党ですにはならない。くぅ。えいごわかんねえ。だけど(なんか)カッコよくてくやしい。──と思った。

このドラマの主軸となる三人、ビックマンのJepperd、鹿角のGus、毛皮を着たBear、──は顔が(とても)よかった。
話も特異性があって面白いが、かれらの顔が、表情が、物語を牽引してしまっている──と言っていい。

俳優は一般に、かっこいいとかきれいとか、見た目がいい人がなるわけだが「いい顔」の俳優もいる。ところが「いい顔」は、ハンサムや美人に比べると、主観の要素が強くなる。ただし人相学(観相学)というものがあるのだから、顔にはいい顔とそうでない顔があるはずだ。人相学を知らなくても、その経験値に応じて、他人様の顔からなにかを読み取ることができる。と思う。GusとJepperdとBear(の顔)はいい顔だと感じた。これは共有しうる印象だと思う。

物語は回想含めて4軸ある。Jepperd、Gus、Bearの冒険と、シン医師とその妻ラニの話、保護区をつくるエイミーとウェンディ、そしてGusの養父と養母の話。
重なる気配もあるが、次シーズンへ持ち越される気配もあった。

一点、衝撃をおぼえた描写がある。ラスト話。動物と人間の交配のような見た目をもつGusのような子をハイブリッドと呼ぶが、くれぐれも、見た目が愛らしくない動物とのハイブリッドで生まれてはいけない。シン医師は、カメレオンとのハイブリッドの子を解剖するのには躊躇しなかった。にんげんの博愛は、見た目の前には脆くも崩れさった──わけである。
畢竟、およそ誰もがChristian Converyのような見た目を持って生まれたかった──わけである。