津次郎

映画の感想+ブログ

稼ぎ頭2投目 アナと雪の女王2 (2019年製作の映画)

3.4
インクレディブルにアナのごとくババッとなんでも凍らせるフロゾンというヒーローが出てくる。ボードを履いてて目前を凍らせながら滑走する。その凍結の使途は解るのだが、凍らせなきゃ進まないゆえに、眼にも止まらぬ速さで凍結路をつくり──滑ってゆく。それが妙に笑えて、鷹揚な黒人キャラクターもいい感じだった。どうでもいいことだが、アナがババッと凍らせるたび、フロゾンを思い出してしまうのであった。

ところで、初作は日本で爆発的ヒットした。バカうけと言ってよかった。今回もそうだが、商標のタイアップをあちこちで見かけた──厖大な販権をも差し置けることが明白だった。歌へも需要が集約し、民間ではスコアと歌詞が乱舞した。ボロ儲け状態だったと思う。

多言語をつなげた歌動画がバイラルになったとき、なぜか日本はもっともいいポジションにいた。フォルテシモの母音だらけのパートで、多く外国人にもari no mama no sugata miseru-noyoの強い聞こえが好かれた。他の部位では形無しだったと思う。動画にはコンペティションの狙いもあり、世界中で日本語がステキだと褒められた。が、他愛ない話であって、そんな瑣末なことで言語がステキかステキではないか速断されても困る──と思った。

うがち過ぎかも知れないが日本市場への意識が感じられる映画である。キャラクターに鼻梁がない。アングロサクソンには見えず、眼には日本のマンガを経由したと感じられる造形がある。
キャラクター成形が円や球に占められ、なよやか。
幼児がいる屋内が角を養生していることがあるがディズニーの低年齢層向けアニメにも、その「感じ」がある。

ただし先端恐怖症というほどではないがオラフの人参は気になった。
映画中唯一の鋭角で、この種のことは気になると止まない。こっちを向かないでほしいと願った。

今年の冬も日本中の親たちがオラフをつくらなきゃならない──かもしれない。重要なのはいわゆる普通の人参=五寸人参を選ばないこと──ではなかろうか。完成サイズが大きいと身も心も凍りつく。迷わずミニキャロットにしとくべきだと思う。