津次郎

映画の感想+ブログ

スカトロジーと人種差別を立体化するための繋ぎ合わせ ムカデ人間 (2009年製作の映画)

ムカデ人間 [DVD]

2.8
残虐描写には耐性が高いのだがパスカルロジェのマーターズとこれは長らくトラウマが抜けなかった。
しかしYouTubeにあったTheHumanCentipedeのキャストインタビューを見て、完全に呑み込むことができた。

インタビューは三連につながる白人女性二人と日本人男性による映画広報で、ムカデ先頭の北村昭博が、高いテンションで映画の真意を説明する。
そこで彼がこんなことを言っていた。

(英語で)「監督はジニアスだよ、美しい白人女性が、東洋人男性のうんこを食う、究極のスカトロジー、フェティシズムの境地だね」

なるほど、と思った。排泄物フェチを立体化するためのムカデであり、それをより過激にするための先頭の日本人なわけである。
その解釈を得てトラウマが消えた。
人は得てして、わけがわらないとき怖い。すなわち、動機を知ることは、恐怖を払拭する最大の武器だ。

阿鼻叫喚の修羅場となる映画と違い、艶っぽいAshleyCWilliamsとAshlynnYennie、やんちゃっぽい北村昭博が、ニコニコしながら終始ノリノリでインタビューに応じる様子は、映画本編より興味深かった。

女優二人はその後しばしばホラー系で見かけた。二人ともきれいで案外易々とムカデから脱却している。
それと比べると北村昭博は園子映画でチラッと見た程度、キャリアがまだムカデを背負っている。(TokyoTribeではムカデだった)

2作目は、連結と血糊が増し増しになったが、白黒に救われた。
また醜態の雰囲気がやたらサマになる役者LaurenceRHarveyを知った。
3作目はセルフパロディになってしまってペケ。