津次郎

映画の感想+ブログ

群がり(2020年製作の映画)

群がり

2.5
田舎でいなごをよく食べた。多様な調理法があるかもしれないが、わたしの知ってるのは甘露煮にしたやつ。食べたのはむかしで、畦でつかまえたのを母の実家のおばあさんが煮詰めた。

わるくないが、すごくおいしい──ほどでもない。昔から、やがて昆虫食がくる──という端倪はあったが、小ブームはあったものの、潮流にはなりえなかった。(と思うが、どうなのだろうか。)

しろうとの考えだが昆虫食がビジネスになりえるのは食糧難の地域で養殖供給するシステムではなかろうか。──とすれば巨大企業のやることのような気がする。

なので個人経営でフォアグラ向け(アヒルの餌)なんてたかだかしれている。──と思いつつ見ていた。きょうみぶかい仕事ではあるが、二子を抱えて女手ひとつ。生産販売を軌道に乗せたいが、うまくいかない。

それ以前に──この主人公ヴィルジニーには激高癖がある。こんな癇癪持ちに畜産業なんてデリケートはことはむり。映画の設定に過ぎないが。

安いパニック映画では、動物や昆虫が、劇薬や工業廃棄物などを摂取することで巨大化する。本作では巨大化はしないものの、人血を啜って凶暴化する──という話。雰囲気はいいが常套なパニックものだった。

反抗期の娘がいて母子の関係がアクセントになっている。娘さんがローラという名だが、フランス人が「ローラ」と言うとき、日本人が言えるラじゃない。どうやったらこのラを言えるんだろうか。