津次郎

映画の感想+ブログ

ゲーム化期待 ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り (2023年製作の映画)

5.0

パーティを組んで冒険に出よう。

エドガン(クリスパイン)のクラスはバード(吟遊詩人)。マンドリンのようなのをしょっている。武器にもなるが、演奏で仲間を鼓舞するのが本職。プランを決めるリーダーでもある。

ホルガ(ミシェルロドリゲス)はバーバリアン。戦闘フェイズの主役。前列に立って斧を振り回し敵をばったばったとなぎ倒す。

サイモン(ジャスティススミス)はハーフエルフのソーサラー。覚醒しておらず自信がないが追い込まれると強い。

ドリック(ソフィアリリス)はティーフリングのドルイド。ハエからアウルベアまでいろんな獣に変身できる。スリングショットの達人。

かれらが繰り広げる冒険と多様な登場人物。
高潔なパラディン、ゼンク。悪計をかかえたネクロマンサー、ソフィーナ。野心家の詐欺師フォージ。ハーフリングのマーミラン。など。

地はコメディ。笑いながら進む過程で“仲間”や“勇気”や“愛”や“喪失”などのテーマが自然に消化される。諦めないのが俺の魔法だと叫ぶようなキメ台詞停滞をせず、さらりと訓育してみせる大人のストーリーテリングだった。

俳優で目をひいたのはどこに出てもなにを演じても同じなヒューグラントw。吸い込まれそうな目ぢからのソフィーナ役Daisy Head。スリングショットのモーションがやたらカッコいいソフィアリリス。そしてふたりのベテランが主役をつとめていること。とくにロドリゲス。

アバター(2009)のレビューに『私的にはタンクトップのミシェルロドリゲスが全部もっていった映画でした。』と書いた記憶がある。あれから14年経ってこのダンジョン&ドラゴンズも44歳のロドリゲスがもっていく。そのキャスティングセンスをふくめたプロダクトとしての全体像に感動をおぼえた。

またビジュアルエフェクト類がすごいのはもちろんだがダメージや汚れや経年変化の調製がリアリティに寄与しているのがよく解った。衣装や武器や小道具や傷跡や髪のほつれや肌質感や油染みや埃っぽさや生活気配などの本物らしさ。この映画に限ったことではないが改めて感心した。

魅力的な登場人物に加え脚本も演出も素晴らしく、映画は圧倒的に面白かった。