津次郎

映画の感想+ブログ

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

マッカーシー初の酷評作だけど私的には○ 靴職人と魔法のミシン (2014年製作の映画)

3.8アメリカの批評家たちはサンドラーに対して一定の追い風を持っている。目立ちたがりだし、癖っぽいし、なんとなく理由は呑める。結局この映画もトムマッカーシー唯一の汚点みたいに言われてしまった。 だけどわたしはけっこう好きだ。理由は、おれもダン…

なにもおこらないのに2時間ひっぱる ユ・ヨルの音楽アルバム (2019年製作の映画)

4.0盛り上がって落ちる。また盛り上がって落ちる。でこぼこなシンデレラ曲線だけで引っ張る。ディティールはさらりとしている。悪い奴と縁の切れない男。まじめな女。その立ち位置は明解だけれど、事件はたいして描かない。雰囲気とキムゴウンの喜哀の表情+…

ひとりキャンプで食って寝る(2019年製作のドラマ)

https://amzn.to/3Hg2owS ターゲットのわからないドラマだがまったりできる。何気なく見た回に北香那という女優さんが出ていた。不見識だったのだが巧くて瞠目した。嬬恋あたりでライセンス持ってて猟銃提げている。家はにんにくをつくっているらしい。とこ…

グランメゾン東京(2019年製作のドラマ)

3.0 個人的にははじめてみる女優さんなのだが吉谷彩子が出ると画面がパッと明るくなる。気負わないキャラクターでもあるが、演技にも気負いが見られない。まるで素のような自然体。ほとんどひとりでドラマ全体を朗色に変えている。逸材とはこういう人を言う…

ヒッチコックみたいなダニーボイル シャロウ・グレイブ (1994年製作の映画)

3.8ケリーフォックスといえば初主演のエンジェルアットマイテーブルで既に大女優だった。この映画を見ると若い頃のアグレッシブな魅力がよくわかる。射るような碧眼をしている。威嚇してるわけじゃないのに威嚇できるキャットアイだと思った。また対人恐怖症…

モラトリアムに刺さる ヤング≒アダルト (2011年製作の映画)

4.0わたしの高校には卒業生ぜんたいのパーティーがある。300人くらいになるので、大味なことになる。おちついて話というより、名刺交換しまくるとか、お酌にまわるとか、ただ側にいる知友と話していることもできるが、それにしても踏み込んだ話はしない。 世…

懐かしいあいつみたいな 横道世之介 (2013年製作の映画)

5.0見たときは、それほど印象は強くなかったのだが、数年経って、じわじわと、あれはいい映画だった、と思い出した。まるで、映画のなかの人たちがみんなして横道世之介のことを回想するように、この映画を思い出した。それでまた見た。 日常のなかで、過去…

いいかんじのホラーテイスト アンダー・ユア・ベッド (2019年製作の映画)

3.8氷菓を見たとき「おや」と思った。この映画が原作の面白さに依存しているのは解る。また、かの京アニの厖大な仕事をそのまま絵コンテにしているのも解る。ただし、個人的に、映画は面白かった。山崎賢人マイナスがあったけれど、本郷奏多プラスがそれを覆…

意外!すごくいい 氷菓 (2017年製作の映画)

4.5原作は読んでいません。 ちなみに私はこれを先に見ました。後になってアニメ版の氷菓も見ました。とくにアニメ好きではありません。ただ宮崎駿や新海誠や押井守や細田守など著名なアニメーターのネームバリューにつられてアニメを見ることはあります。ゆ…

じわじわと不安をあおる インビテーション/不吉な招待状 (2015年製作の映画)

4.0日常で、こいつ変だぞ、こりゃ何かおかしいぞ、って人や事がある。それでも、なんとなく、多数派同調性バイアスや公衆意識が、それを日常のなかに納めようとする。だいじょうぶっていう自分もいるし、ヤバいよっていう自分もいる。大災害なら、それが生死…

いいシェフほど非庶民的 二ツ星の料理人 (2015年製作の映画)

3.3エンタメニュースでキムタクの新ドラマとこれの類似性が指摘されていたので観た。確かに似てた。かつて失敗をやらかして敵も多くて傲慢な調理界の異端児が、水滸伝よろしく仲間を集めて三つ星を目指す。だいたい話も同じある。その性格に協調性がほしいと…

あきらかに珍奇 モンスター 変身する美女 (2014年製作の映画)

4.0妙に残っている映画。イタリアを旅するアメリカ人。金はないがきままなバックパッカー。が、出会ったヨーロピアンな麗人。恋に落ちる。 それらが順当に展開するので、そのあとにくる異形譚におどろく。彼女はじつはモンスター。なんかタコっぽやつ。トラ…

ほっこりする 恋のクリスマス大作戦 (2004年製作の映画)

3.5ベンアフレックというひとはまぬけな役のときかわいい。長身を手持ちぶさたにしているときジミースチュアート的人の良さがにじみ出る。この映画はおよそ十把一絡げにされるクリスマスジャンクだが、妙に残っている。リアリティがなくてハートウォーミング…

役者が揃っていて、みんないい 世界にひとつのプレイブック (2012年製作の映画)

4.0ジェニファーローレンスには素が感じられない。じぶんを演出しちゃうタイプで顕示欲が強そう。貞淑でなくスラッティー。芯が太く、気が強く、上昇志向がある。優柔不断ではないが、素直さに欠ける。 オスカーを獲ったのは、おそらくティファニーがジェニ…