津次郎

映画の感想+ブログ

マッカーシー初の酷評作だけど私的には○ 靴職人と魔法のミシン (2014年製作の映画)

3.8
アメリカの批評家たちはサンドラーに対して一定の追い風を持っている。目立ちたがりだし、癖っぽいし、なんとなく理由は呑める。結局この映画もトムマッカーシー唯一の汚点みたいに言われてしまった。

だけどわたしはけっこう好きだ。理由は、おれもダンスティーヴンスの靴なら毎日履きたいわ──と思ったのが大きい。

ダンスティーヴンスはハリウッドに出たけれど、イギリスでの下積みは長い。イケメンに惑わされるけれど、演技力に裏打ちされた苦労人である。だからこそ、この映画の彼は、中身がアダムサンドラーのダンスティーヴンスにしか見えない。現実にイケメンをしていながら完璧な三枚目を演じてしまえる。巧い!

だから「エミリアーノ」の靴を履いたくだりが、ほとんどこの映画の白眉だった。イケメンが巷のバーでどんな素敵に出会えるか、連れの美女と何ができるか──を映画は再現している。それがなんかむしょうに楽しかった。