津次郎

映画の感想+ブログ

Jojo RabbitまではHeroesといえばこれだった ウォールフラワー (2012年製作の映画)


5.0
イギリス勢がアメリカのチャートを席巻すると、ブリティッシュインヴェイジョンと呼ばれる。
何度かあるが、これは80年代の話。
映画でかかる、スミス、XTC、ニューオーダー、デキミラetcは、自分にもど真ん中の音源だった。
カモンアイリーンで躍っていたらどんなに楽しい青春だったろう──と思った。懐かしかった。

青春映画のスタイルを借りながら、じつは40代~50代向けに作られたノスタルジーの映画だと思う。
エマワトソンは90年生まれ。出演者たちが、生まれていなかった時代の音楽に夢中になっている。
世代を超越して。
──世代の超越を実現しているのはHeroesが使われているからだ。と思う。

Heroesは普遍的な曲。
耳なじみのいいリフレイン。
階段を登るように語り調からシャウト調へドラマチックに盛り上がる。
映画はそれをを効果的に使っていた。

この映画を見ると、両手を拡げて、向かい風に帆をはるのは、タイタニックのポーズでなくウォールフラワーのポーズ──という認識にシフトする。のではないだろうか。

心に傷をおった青年がまわりの人たちの思いやりに支えられて再生する、というどこにもある青春譚を、とても瑞々しくVividに描いている──と思います。
また個人的にはデイヴィッドボウイが聴きたくなって、この映画を見ることがあります。