津次郎

映画の感想+ブログ

韓国映画

しっかり怖いPOVホラー コンジアム (2018年製作の映画)

4.0POVスタイルが予算をかけずに映画を撮る方法だとは解る。ブレアウィッチから、とりわけアメリカではPOV画面を見ただけで辟易するような濫造の時期があった。落ち着いたのは、アイデアが出尽くしたからだろう。また、そもそも予算をかけずに撮ることがPOV…

心奪われる情趣 子猫をお願い (2001年製作の映画)

5.0韓国映画がしばしば描く、非情な/暗鬱な/旧弊な韓国社会がある。ここにもそれがある。彼女らには出自や貧富の格差がある。世間には因習があり、社会は未成熟で、お金がなければ転落する。お金があっても、お人好しでは生きられない。誰も助けてくれず、ど…

進化を続ける韓国映画 パラサイト 半地下の家族 (2019年製作の映画)

5.0近年の日本映画は韓国映画の影響を受けている──と思う。それが表明されたことはなく、表立った潮流をつくってもいないが、なんとなく──、時には瞭然と、そう思う。影響を受けたのはノワール的空気感で、ここ数年のあいだにみるみる李相日風な映画が増えた…

わたしの心を揺らす 甘い人生 (2005年製作の映画)

5.0この映画はキムジウンの最高作でビョンホンの代表作だと思う。韓国ノワールにはヤクザの非情さと同時に、韓国社会が基調的にもっている不人情があらわれる。誰もが一匹狼。同情や依頼心が身を滅ぼす。それが映画に切実な緊張を与する。ラストスタンドが普…

なにもおこらないのに2時間ひっぱる ユ・ヨルの音楽アルバム (2019年製作の映画)

4.0盛り上がって落ちる。また盛り上がって落ちる。でこぼこなシンデレラ曲線だけで引っ張る。ディティールはさらりとしている。悪い奴と縁の切れない男。まじめな女。その立ち位置は明解だけれど、事件はたいして描かない。雰囲気とキムゴウンの喜哀の表情+…

ネトフリに入ったきっかけ オクジャ okja (2017年製作の映画)

4.3私が映画を積極的に見始めた80年代90年代には、韓国映画と言えば鯨とりしかありませんでした。これはホントのことです。それがJSAのあたりからパァーっという感じで一気に百花繚乱の様相になったのです。キムギドク、パクチャヌク、ポンジュノ、キムジウ…

雰囲気がレベち サバハ (2019年製作の映画)

3.9巧いなあと思います。冒頭からリアリティの佇まいが違います。と、感じながら、何と比べて巧いのか/違うのか、を考えると、やはり日本映画です。あまり言いたくないことですが、韓国映画を見ていると、なぜか日本映画とクオリティ比較してしまいます。そ…