津次郎

映画の感想+ブログ

あなたの番です(2019年製作のドラマ)

3.0
ひとつだけ見ました。
逃げ恥のあと、いくつかのドラマのオープニングかエンディングで出演者が踊っているのを見かけました。
田中圭が年上の女性と同棲し、彼女のことを頻りにななちゃんと呼ぶのは、田中圭が先のドラマで母性本能をくすぐるということでブレイクしたからでしょう。

このように、一回ウケた路線を踏襲する姿勢のこと──及び、それがことごとくスベっている様子を柳の下の泥鰌と言います。

よく見る方法論なので、とくに感想はありませんが、役者さんというものは、たいへんなものだなと、思いました。

多くの男性にとって30半ばの田中圭原田知世をななちゃんと呼びまくるのは、きびしいものがあろうかと思います。

田中圭にしたって、パッと出の人なわけではありませんし、あるドラマをきっかけに、自分にmaternalなところへ訴える属性があると判明したものの、それを何度もやりたいか、自分の役者としての基調路線としたいかと言えば、そうでもない、のではないでしょうか。もちろんたんなる憶測に過ぎませんが。

それでも、芸能界というところでは、いったんウケてしまった方向性は、執拗に繰り返されるものです。
これは子役が、大人の役者になってから伸び悩むのと同じ理屈です。

その見地から、このドラマで甘えっ子の演技をして、ひょっとしたら、まだ幾つもそんなタイプの役をやらなければならない、田中圭のご苦労に、役者さんというものは、たいへんなものだなと思ったわけです。

ちなみに見たのは袴田吉彦がやられてしまう回ですが、それが笑いへもつながらず、唐突な楽屋落というわけでも無さそうで、異様なスベり方をしているのを見るにつけても、やはり、役者さんというものは、たいへんなものだなと思いました。