津次郎

映画の感想+ブログ

むしろなんで今までなかったのかGroundhogDayのホラー亜種 ハッピー・デス・デイ (2017年製作の映画)

3.5
オマージュのままいくと思っていたが、あまりにそのままなので後半でカーターにGroundhog Dayをことを喋らせる。

主役のツリーはJessica Rotheという女優で、絶叫しつつコミカルなバランスも備えている。プロット上、Groundhog Dayのフィルと同様に、身勝手が強調される。男性関係の壊乱ぶりと自棄的なところは、母親を亡くし失望しているという設定が効いていた。

そのビッチぶりにかかわらず、ぜんぜん嫌味のない女優さんで、好感をもった。白人女性がオナラをする描写は、たぶんはじめて見たような気がする。

ただし、繰り返す一日の事象が、やや弱いと思う。
Groundhog Dayの場合、陽気な客に会い、朝食をとって、物乞いを見かけ、ぜんぜん思い出せない幼馴染みの保険屋に会い、ぬかるみの穴に足をとられる。そのひとつひとつが、翌日同じ目に遭ったときのフィルの反応を期待させるものだった。

ツリーも目覚めてから、同じ行程を繰り返すのだが、その事象に、もうひとつ魅力的なアイデアが欲しかったと思う。

観る者は、主人公が遭う繰り返しのデジャブと、Groundhog Dayのデジャブ、二重のデジャブにさらされる、楽しい映画だった。