津次郎

映画の感想+ブログ

ギンギラネオン街の日本 ラスト・ブラッド (2008年製作の映画)

ラスト・ブラッド(字幕版)

2.6
『香港・フランス共同制作映画として製作され、日本では『ラスト・ブラッド』の題名で2009年5月29日に公開された。』
(ウィキペディアより)

元ネタは日本のアニメ製作会社がつくったアニメ。出てくるのは(日本人設定の)韓国人のヒロイン。舞台はアメリカ(と日本)。香港・フランスの共同製作。

監督はJet Liの代表作のひとつキス・オブ・ザ・ドラゴン(2001)のChris Nahon。日本からは小雪と倉田保昭が出向している。

主役はチョンジヒョンだが、韓国が関わっていないので、日本の描写に偏向がない。ただし小夜(チョンジヒョン)のセーラー服には、ドンキホーテで買ったコスチュームのようなベタ感があった。

序盤は楽しいが、全体としては中華剣劇のような大味感。でも、キャスティングはいい。あえてチョンジヒョンが出ているということは、この企画じたいが、チョンジヒョンから始まったのではなかろうか。

じっさいのところは知らないが、日本のアニメ製作会社がつくった日本が舞台となる話で、韓国人のヒロインを設えたことに対して、チョンジヒョンはばっちり応えていた。この役に日本人を充てるとしたら清野菜名あたりかな?あんがい難しい。と思う。

小夜と行動を共にするアリス役Allison MillerはこれとDevil's Due(2014)というPOVホラーで見た。(テレビに比重していて、映画では)わりとレアな人ではなかろうか。因みにDevil's Dueは「デビルズ・バースデイ」でメディア化されている。鈍重なPOVだが、いきなりスーパーの生肉を喰うシーンは怖かった。

小雪は悪役で、倉田保昭は小夜の師匠役。この映画で記憶しているのは小雪が般若に似ていたこと。般若とは能面の般若。ガンバレルーヤよしこよりも般若に似ていると思う。

ウィキペディアに、
『1960年代の日本のシーンでは、撮影当時に営団地下鉄(現:東京メトロ)で走っていた営団500形電車が売却先のアルゼンチンのブエノスアイレスの地下鉄で走っていたため、ロケが行われている。』
とあったが、正直なところ時代設定はよく解らない。

エンドゲームで、(妻子を失い)悲しみに打ちひしがれたホークアイが各地で悪いやつを討伐している──という設定において、日本で、われらが真田広之と戦っている。
その背景の「日本」が、ギンギラのネオン街なわけだが、おそらく外国人は、歌舞伎町あたりの情景に、ものすさまじい衝撃を受けるのだと思う。
この映画でも「日本」があんな感じのネオン街として描かれていた。

外国映画のなかでは、今も昔も、ネオンと赤提灯が「日本」をあらわしてしまう──ような気がしている。