津次郎

映画の感想+ブログ

初期荻上系 ペンションメッツァ (2021年製作のドラマ)

「ペンションメッツァ」DVD

2.5

(偏見と憶測にみちていますので読まないでください。)
(日本映画によってきらいなものを腐しながら見るという鑑賞術をつちかいました。エンタメの愉しみ方のひとつだと思っています。)

小林聡美とペンション。
もたいまさこも光石研もいる。
演出は荻上チルドレンの松本佳奈。
役者が揃ってしまった。

個人的にシぬほどきらいな世界。
なので見た。わら

中産階級向けのゆるいヒューマニズム。
荻上系が好きな人はだいたい偏差値そこそこな大学出てロングチェスターにパンツもしくはオーバーサイズニットにマキシスカートはいてて北欧小物のショップをめぐって淡い色合いの調度をそろえるのがしゅみで都市部に親と住んでいる。・・・。

ぜったいに労働者階級を癒やさない中産階級専用メルヘン。へどがでるわ。

原生林で優雅なペンション経営はできない。夏は虫や獣が浸食され地獄。冬は雪に覆われ凍みさらに地獄。もちろんドラマが必ずしもリアルである必要はない。が、荻上系がダメなのは生活臭や細部を排除してきれいな皮相だけしか見せないのにペーソスへ持っていこうとするところ。言うなれば世間知らずの少女が歌う中島みゆきのファイト!のようなもの。ポーズつくってるだけの世界。だいっきらい。

ただしチルドレンである松本佳奈は皮相どまりになっているところがまだまし。師匠はファイト!を涙ながらに絶唱しちゃうが松本佳奈はインストゥルメンタルにとどめておく感じ。かもめ食堂orめがね時代の荻上チルドレンでありマザーウォーターを見ると上澄みをすくった感じがよくわかる。もたいまさこが市川実日子の豆腐屋で豆腐を買い食事をつくって食べる日常だけどエンディングテーマは大貫妙子──おしゃれとミニマリズムとシンプルライフとSDGsと有機栽培。ぜんぶ知的有所得階級向け。

とはいえ小品だしわたしが個人的に過剰反応しているだけでそこまで扱き下ろされるようなものじゃない。