津次郎

映画の感想+ブログ

若者向けの美容ルーティンとは ダムゼル/運命を拓きし者 (2024年製作の映画)

ダムゼル/運命を拓きし者

2.8

ネットにしばしばElizabeth PerkinsとMillie Bobby Brownの顔が並んでいる。パーキンスのはBig(1988)辺りの若い頃で並べられると確かに両者は双生児とみまがうほど似ている。ただ思い出すかぎりパーキンスはクールな役が多かった。対してミリーボビーブラウンはクールではなく、ちゃきちゃきとした男の子みたいな溌剌とした役を身上としている。つまり、顔がそっくりでもふたりのまとっている雰囲気はぜんぜん違っていた。

役の上で得たキャラクターが一人歩きしてその人の路線をつくることがある。ミリーボビーブラウンといえば前述したような「男の子みたいな溌剌とした役」が固着していて、今後大人の役づくりをするためにそれをひっぺがしていく必要がでてくるのかもしれない。──と思いながら見ていた。

というのも、やはりお姫様といえどもミリーボビーブラウンが演じるお姫様であって、もしこれがエルファニングが演じるお姫様だったらドラゴンと戦ったりしない。それが「路線」であり乗っているうちはいいが脱皮をはかろうとすると固着したやつは剥がしにくい──と言いたかった。
逆にエルファニングはドラゴンと戦うようなお姫様を演じたかったのかもしれないし。

Damselは悪くないが良くはなく、つまらないわけじゃないがおもしろくはない。ドラゴン洞穴に放られて戦うという事象を大まじめに扱っていて、まったく笑わさない。笑わさないのはいいとしても、だいたい話がよめる、よめるのがいいとしても、ミリーボビーブラウンではたとえドラゴンといえども負ける気がしない。ピンチはあってもミリーボビーブラウンが演じると危うさを感じない。それも固着したキャラクターの功罪といえる。
imdb6.1、rotten Tomatoes56%と61%。

rotten tomatoesの批評家評のひとつに『大人にとっては幼稚で浅はかで、子供にとっては残酷でグロい』というのがあった。まったくそのとおりで対象が定かでなく、大人にも子供にも不適合だった。これは映画でなくゲームにすべきだったと思う。

ところでさっきネットで拾ったニュースだが実世界のミリーはドラゴンではなくacneと闘っていて自身のスキンケアブランドであるフローレンス・バイ・ミルズのインスタグラムにノーメイクの顔写真を投稿したうえでニキビと闘っている人々へ向けてメッセージを送った──とのこと。

曰く──

『ニキビとの闘いは、私にとってとても個人的なもの。私たちは皆自分の肌に自信と快適さを感じるべき。私の経験をシェアすることでどんな状態であっても自分の肌を受け入れ愛する気持ちになってもらえることを願っているわ!ミリーより』

さらにミリーは以前ニキビとの闘いについて明かし自分の「不完全さ」を受け入れたいとピープル誌に語ったそうだ。

曰く──

『私の祖母は自分の個性をたくさん受け入れていて、自分を表現していたの。私はそれにとても共感している。その点で、私は祖母に似ていると言われるわ。そして、それを私のブランドでも表現したかったの。若者向けのマーケットには空白があったと思う。すべての若者がスキンケアと美容のルーティンの良いスタートを得るに値すると思うわ』

ミリーボビーブラウンは賢い人にちがいないが、こういう外国の著名人の発言を和訳したときのばかばかしさはたまんなくなごめるので転載してみた。なおミリーは昨年(2023)ジョンボンジョヴィの息子と婚約を発表したそうだ。