津次郎

映画の感想+ブログ

親バカ青春白書(2020年製作のドラマ)

2.0
現代。個人的に不思議にかんじる現象のひとつに、芸能人/女優/女子アナ/アイドル/グラドル等々の人気者が、なんどもなんども無制限に、絶え間なく執拗に「かわいい」と賛美され続けること──がある。

それは日本の日常風景なので、これに不思議をかんじてしまうことは、おっさん臭いというか、やばい人っぽいのかもしれないが、個人的には不思議である。

とりあえず誰かがかわいいと評していたなら、それでいいのではないだろうか。
総じてかわいいことが認められているにもかかわらず、なおも「かわいい」を言わなければならない理由はなんなのだろうか。
ひとのかわいいとじぶんのかわいいに相違があるのだろうか。

そもそもボキャブラリに欠けるんじゃないだろうか。かわいいの英語は知らないが、たとえば英語圏のAriana GrandeとかZoey DeutchとかのSNSにかわいいの英語が、ずらずら並ぶのだろうか。
もっとさえたことを言っているんじゃないだろうか。

このドラマの評でもお定まりのように誰某がかわいいが並んでいる。
きょうび、和製のドラマ/映画では、そこ=かわいいに比重して、シビアな批評が回避されてしまうものが多い。

ひょっとしたら日本人は、日本のアニメとか「かわいい」文化が世界を席巻し、世界中に日本のファンがいる──というような一昔前の国策情報を、なおも信じているのかもしれない。が、統計は知らないが、肌感として日本に外国人のきょうみは向いていない。と思う。
ここ10年ほどのあいだにYouTube上ではすでに1億回がK点ではなくなっている。10億や100億が目星で、その勢力を持つのはアメリカ圏や韓国だ。

外国にはかわいいで黙許されるドラマ/映画は存在しない。
おもしろくないけどかわいいからゆるす──ってコンテンツはないのである。
日本にだけは、ある。
とか、思ったりした。