津次郎

映画の感想+ブログ

クェダム:禁断の都市怪談(2020年製作のドラマ)

2020年/韓国製ドラマ/ホラー

4.0
学校、深夜タクシー、エレベーター、ネット配信中、賃貸物件・・・なんでもない常套性の高いシチュエーションを使っているのに、思いがけない工夫があり、確かな演技があり、しっかり怖がらせる。

小道具が細かく、効果音がリアルで、絶叫ポイントのタイミングが決まり、女たちをきれいに撮っている。

振り返って、それを見る──の描写だけで、かなり引くし、FX(の予算)が、かかってないのに、塚本系の安っぽさが、まったくない。

それら鮮やかなジャブが7つ。
ラスト8話目はさながらボディブロー。
度肝をぬかれた。

8話目「誕生」の主人公はシャーマンだが、いわゆるネクロマンサーである。
苦しめて殺すほど強力な魔力が得られる──という巫蠱使い。

この編のすごさは、なんにも使っていないこと。
見せるのはほぼ中年女優のフェイスアクトのみ。
すげえ。

総じて、お金がまったくかかっていない。
にもかかわらず、見せる巧さ。
演出はむろん、ビジネスとしての前段に差を感じた。
NetFlixって世界発信の場というより公開処刑の場なのですね。