津次郎

映画の感想+ブログ

シライサン(2020年製作の映画)

1.0
『最も好きな映画監督はアンドレイ・タルコフスキー。』(監督のwikiより)だそうだ。

このひとの小説業のことは知らない。
プロパー外のにんげんが監督業をやる。
この国じゃよくあることなんだが、板前がカーレーサーをやるようなもの。
映画はかんぜんにオーディションリール。
作った品の体裁を持っていない。

脚本にそって人を動かし台詞言わせている映像、もしくは、映画演出をプログラムしたボットが撮っている──なら、解る。
な・ん・だ・こ・れ。
マジでなにこれ。

だが映画は一線の俳優を使い商業資本にのっている。
この国では一芸が多芸と見なされる。

他資本によって再建される前、にっかつとして最後の映画に落陽(1992)というのがある。

『中国大陸での大規模ロケーション撮影も駆使した製作費50億円の超大作であり、にっかつ創立80周年の記念すべき作品であったが、それだけの超大作の監督を、映画経験のない小説家の伴野朗に託したことが話題となった。』(落陽のwikiより)

また伴野朗のwikiには『1992年 自己作品を原作とする映画「落陽」監督。この興行的な失敗は、制作会社のにっかつの倒産を加速させた。』とあった。

知ってのとおり日本では映画は成功者の余技でもある。

これで「映画監督」が名乗れるなら、カップ麺に湯入れりゃ麺匠になれる。レビューサイトの全員が映画評論家になれる。部屋の灯りをOn/Offできたら電気技師になれる、クルマ運転できりゃレーシングドライバー、ツイートするなら文学者だわ。
とうぜんそゆこと解ってやってるんだよねこのひと。

「なんの作家でもいいが名が売れたら映画監督やらせてもらえるぞ」
未来ある姪にそう教えよう。0点。