津次郎

映画の感想+ブログ

希望のカタマリ(2020年製作の映画)

希望のカタマリ

3.0
Auli'i Cravalho。
顔がいい。
パーツが大きく、豊かで濃い。
明朗と親しみと厚情が顔にでている。
肉感もありフェミニンでもある。
モアナそのものだと思う。

根無し草のように生きる少女の生活実態がリアルだった。
貧苦と災難に遭いながらも、人間関係に難儀しながらも、明るく生きている。
たくましい。
予定調和を感じない、でもないが、美しい主題をかかげた佳作だったと思う。

ところで原題All Together Nowとは、さあみんなでいっしょに──というような意味ではなかろうか。
フランクキャプラのIt's a Wonderful Life(1946)のように、まじめに人を扶けながら生きている善良な人間は、かならず報われるのですよ・・・。
そんな人と人とのつながり──ハリウッドの伝統的な博愛と良心がTogether に込められている──はずである。

が、この邦題が希望のカタマリとなっている。
カタマリってなんですか?
気の利いたタイトル付けたつもりなのかなあ。

個人的には、このテの邦題に腹が立ってしかたがない。
冗談抜きで「カタマリ」ってなんですか?
うんこみたいなもののことを言ってるんだろうか。

業界的な、一過性な、現代用語が邦題に入ってしまうことで、映画の価値が著しく下がる。──個人的には本気でそう思う。