津次郎

映画の感想+ブログ

レイリオッタ出世作 グッドフェローズ (1990年製作の映画)

5.0

もともと悪いやつが活躍する映画がすきではなかった。
ゴットファーザーにしてもスカーフェイスにしても深作の映画にしても、感心はするけど、すきにはなれない。

さいきんの悪いやつがあばれる日本映画なんかなおさら。
日本映画はちんぴらや不良を好んで主役に据えるけれど、魅力を感じない。まっとうに生きている大人しい人間のほうが偉いにきまってるじゃねえか。なぜ、暴力や威嚇や詐術のうまい奴をもてはやすのか。

(──とギモンを呈しつつ、それがなぜかは知っています。悪は話を劇的にするためであり、バイオレンスorエログロは、演出上の未熟が補完されるから。またそんな話だらけなのは、全体としてクリエイターの発想が貧困だから。──です。)

じぶんは古風なのかもしれないが、基本的に悪いやつがきらい。
現実でも、映画でも。
だけどグッドフェローズは別。

先般レイリオッタが亡くなったという報道をみた。2022年5月26日、67歳だった。
レイリオッタは1954年ニュージャージー州ニューアークに生まれているが、生後すぐ孤児院に置き去りにされ、6ヶ月のとき、店舗店員のメアリーと自動車部品店を営むアルフレッド・リオッタ夫妻に養子縁組された──とあった。

さいきん見つけたネットニュースにスコセッシ監督の回顧があった。

スコセッシ監督は6日(2022/06)『グッドフェローズ』はレイの母親のメアリー・リオッタさんががんの診断を受けた中での撮影だったことを明かし、ガーディアン紙に寄稿された論説の中でこう書いている。

「私は母親のところへ行けと言ったのですが、彼は行く前にシーンの撮影を終わらせると言い通して母親のところへ行くことを断固として拒みました。一緒に現場へ行って皆に事情を説明したのですが、撮影が始まるととんでもない事が起こったのです」
「それは、初めて大金を手にした仲間たちが大喜びし、皆がレイを中心に感情的な絆で結ばれるシーンで、歓び祝うと同時に嘆きが加わり、笑いと涙が一体となったのです。レイは最高の芝居をし、最愛の母のもとへ行きました。貴重な体験でした」

悪い知らせが入ったのは、トミー(ジョー・ペシ)、ジミー(ロバート・デ・ニーロ)と、ヘンリー(レイ)が共演するシーンを撮影していた日で、スコセッシ監督はその時の事を決して忘れないとこう綴っている。

「知らせが入ってすぐに彼のトレーラーに行くと、彼はすっかり取り乱しており『彼女は僕を養子にし、なぜこんな酷いがんになってしまったんだ?なぜなんだ?』と言い続けていたのを覚えています」
「もう一度だけ彼に会う機会があれば良かったです。一緒にやった仕事が僕にとってどれだけ意味があったかを彼に伝えるために。でも、彼はそれを知っていたかもしれません。そう願います」

悪いやつが活躍する映画がすきではない。でもグッドフェローズは別。
ジェットコースターのような──という陳套な形容があるが、グッドフェローズはまさにジェットコースターのようだった。パタパタorぐいぐい進む映画だった。豪腕の演出力、めまぐるしく、145分があっという間だった。
そして均してみたらおぼえているところはやっぱりレイリオッタの破顔なのだった。

レイリオッタっていう人はこわもてなんだけれどみょうにひとたらしな笑顔をする。それがまさにGoodfellasていうか、やっぱりグッドフェローズは「スコセッシ監督がレイリオッタを見つけた映画」なんだと思う。

「もう一度だけ彼に会う機会があれば良かったです。一緒にやった仕事が僕にとってどれだけ意味があったかを彼に伝えるために。でも、彼はそれを知っていたかもしれません。そう願います」

(本文中の引用はBANG Media International/よろず~ニュースより)

 

はじめてレイリオッタを見た映画。