津次郎

映画の感想+ブログ

衝撃的に面白い ブラック・ミラー シーズン7 (2025年製作のドラマ)

普通の人々」 - ブラック・ミラー シーズン7 エピソード1

5.0

1Common People、人がスマホみたいな契約縛りになる悲しい話。youtubeでもprimevideoでも、その他多くのストリーミングサービスにはCMが挿入されるし、ここも開くと「引き続きご利用いただくには」と強制広告がでてきて、広告なしにするにはお金がかかる仕組みになっている。身近なそれらの現象と夫婦愛をてんびんにかけて、ひねるかなと思ったがひねらないで、ストレートに悲劇にもっていった。気の毒な話だった。

2Bête Noire、マリアがつとめるチョコレート開発会社に、むかしいじめていたヴェリティが入社してくる。かのじょは時空を曲げパラレルワールドを自在につくるペンダントをつかって報復を遂げようとするが、土壇場でマリアにペンダントを乗っ取られる。
ブラックミラーの各話には未来のテクノロジーを使うという縛りがあるが、Bête Noireは嫉妬心と虚栄心と復讐心を描き、人間ドラマとして重い見応えがあった。訳すと黒い獣で白人と黒人の関係性をちくちくと皮肉っている感じもあった。

3Hotel Reverie、バーチャル技術を使って現行役者を過去作品に出演させてリメイクをつくるReDream社に招聘されたブランディ。ReDream社の監督にオークワフィナ、ブランディ役に陰影や情趣のないIssa Raeを充てて、コミカルな色を加味した。ホテルレヴェリーはおそらくカサブランカ(1942)や望郷(1937)を想定した映画だが、わざとだろうがIssa Raeがことごとくレトロ風味を消し去った。話が変動してスクリプトを即興しなければならない事態に陥るところはなんとなくカメ止めの真魚を思わせた。単純で大味なIssa Raeが情味を壊し、ホロリとさせたいラストは弱かったし、LGBTQ値も生きていなかった。が、仕掛けが派出でオークワフィナは上手だった。

4Plaything、ポピュラスとかレミングスとか昔の箱庭ゲームをおもわせるスロングレットの中のキャラクターが意識をもっていることを発見したキャメロンは、かれらの要求にしたがって機器をアップグレードし、自分自身もプラグアンドプレイにつくりかえスロングレットの理想へ向かっていく。理系、自作PC系、マイニング系、レトロゲーム系をくすぐり、ブラックミラーファンもくすぐるオタクアピール作という感じ。

5Eulogy、ユーロジーはきょうび増えてきた家族葬会社のような追悼式会社の未来版。フィリップは訃報と同時にかつての恋人キャロルの写真提供をもとめられる。喧嘩別れしたキャロルを思い出すのもイヤだったが、もとめに応じて過去の写真を検証していく。ユーロジーは写真へ入り込んで撮影時の状況を擬似的に再体験できる。その過程で判明してくキャロルの真実と本心。ジアマッティが巧い。出来が良すぎて言葉が思いつかない。

6USS Callister: Into Infinity、波乱と衝撃、はらはらどきどきしっぱなしだった。コミカルで諧謔的なパロティの素地を、深刻な事態へもっていく手腕が見事。哄笑とストレスが交互にくるのと、ミリオティの運命と魅力にしびれた。解決とは言えないがカリスターのクルーがナネットの中に入ったので気分は軽くなった。

シーズン6より出来がよかった。いっき見して見おわってしばらく呆然とした。