津次郎

映画の感想+ブログ

完全なるイミフ、noteにおけるフォローとフォロワーとスキの形骸性

(この文には不見識や勘違いが含まれているかもしれません)

noteというブログサービスがあります。
わたしは2017~2018年に1年ほどやりました。
さらに2021年に1月から1ヶ月半ほどやりました。
「note、会員数100万人、月間アクティブユーザー1000万人を突破」という2019年の記事が今もネットにあります。
その約一年後2020年11月17日付けの日経記事に「LINEに迫るメガメディアへ 「note」利用者急増で6300万突破」とありました。

二つの目ニュースの6,300万人はアクティブユーザー数です。noteは利用者が爆増と喧伝されておりますが、2019年が会員数100万人で1000万人のアクティブユーザー数とすれば、現状(2021年)の会員数は630万人~700万人くらいなのだと思われます。確かにすさまじい増え方です。

2020年にIPアドレスの漏洩がニュースになり、そのほかに3つの炎上騒ぎがあったそうです。IPアドレス漏洩は一般ニュースになったので知っていましたが、炎上騒ぎについてはまったく知りませんでした。2021年2月に短期間ながらまたnoteをやったことで炎上騒ぎのことを知りました。

今回やってみて気づいたのはフォロバ100とみんなのフォトギャラリーです。
プロフィールにフォロバ100とのキーワードが入った人が大量にいました。意味はフォローバック100パーセントで、フォローするとフォローを返して(バックして)くれます。
はじめたばかりでフォロワーが0人のみっともなさを、即日解消できるのがフォロバ100です。じっさいわたしもフォロバ100の人たちにフォローすることで、noteでブログを初めて数日後、いや数時間後にはフォロワーが100人に達していました。
ブログを初めると誰もいない初動期間が苦痛なものですから、ナンセンスな形骸性にもかかわらず、とりあえずベンリだなあと思ったのは確かです。

note内ではいいねがスキと呼ばれますが、おそらくフォロバ100の人たちは、フォロー扶助と同時に、お互いの記事に対してスキも付け合いましょうと示唆していたはずです。誰がどの記事にスキをつけたのか、わかるのでスキをし合って扶助することができます。

個人的にいいね(スキ)とはいいと思った記事にするものだと思っていたので、人様の記事にスキをしませんでしたが、スキをしないでいるとフォロワーを何百と抱えながら、非稼働ブログのような感じになります。そりゃそうですよ。だってフォロワーはただのフォローバックなんですから。わたしに1ミリのきょうみもありません。だいたいわたしだってフォロバ100のキーワードを持っている人を機械的にフォローしただけで、誰にフォローしたかなんて確認さえしてません。
とりあえず困ったのはスキは人様へスキをした返礼でしかないため、これだと自分が書いた記事が面白いのか面白くないのか、わかりません。
個人的にブログを書いていていちばん知りたいのはじぶんの文はいいのかわるいのか、です。過酷なコメントをされたくはありませんが、せめていいねの有無や多少によって添削されなければブログを書く意味がありません。ばかなわたしでもさすがにフォロバ100の空虚に気づきました。

ただしFilmarksも同様です。映画レビューで使っているFilmarksでもフォローとフォローバックといいねの共有は日常であり、扶助の方法論がまかり通っている世界です。
Filmarksのトップページにある「ユーザーを探す」をクリックすると人気ユーザー50人というのがでてきます。何千何万とフォローすることでフォロワーを稼ぎ、人様のレビューにいいねをつけまくっていいねを稼いでいる50傑がそこにいます。
かれらがレビューを書くと盲目的に数百個のいいねがつきます。50傑は巡回していいねをトリクルダウンし相互扶助が完成します。
自分がフォローしている人が0または数人で、フォロワーが数千人もいるひとも存在していますが、自作自演ではないかと思います。(因みにこれは憶測であり正しい情報ではありません)Yahoo映画にもひとりで数千アカウントを保持している猛者がけっこういました。よく解りませんがアカウントは購入できるものだと聞いたことがあります。

今回noteをやってみて、気づいたのですが、フォローもフォロワーも数百の規模があり、詳細なプロフィールもありながら、記事が一つもないひとたちがけっこういました。noteには自動的に巡回し人様にフォローやスキつけまくるbotがあります(それを説明しているサイトがあったので知りました)。そんな虚構のなかでは、アカウントの売り買いがあるのも容易に信じられます。
こういったゼロサムゲームに夢中になっていいのは、なんらかの稼ぎを得られるばあいです。それも収入の高低によります。一日中ネットの海を掘り続けて月収1万ならばどうかと思います。時間をかけず2万ならば、いけるかもしれません。月2万の収入がいいかわるいか、考え処ですが、よのなかトップバリューのひととじぶんを比較すると、みょうなことになります。われわれはかならずトップバリューの人々や数値と比較するという粗忽をやります。

noteには、かならず、じぶんがnoteをはじめて一週間でこうなった、一ヶ月でこうなった、半年でこうなった──とPVや収入を披瀝する人たちが一定数います。それらの下請けの扇動員みたいなのとじぶんを比較してはいけないと思います。noteのPVがプロモーションビデオの頭文字に過ぎないってことは、もはやわたしですら知っています。
そもそも月30万円の不労所得が、一朝一夕のはずがありません。個人的には、2万でそれが副収入ならば、ちょっとしたもので可能性に満ちた値だと思います。間違っていたらすいません。

noteに数日間いてフォロバ100のポンコツ度と、まともなクリエイターたちの流出を感じ、空虚になりましたが、ひとつだけみんなのフォトギャラリーという、個人的には画期的と思えるサービスがありました。noteの利用者がじぶんが撮ったり創ったりした画像を、ご自由にお使い下さいと置く場所──です。
ブログ記事に画像をつける──ブログやっている人は当たり前ですが、個人的にこれが、億劫でなりませんでした。どうすればいいのかも、よくわかりませんでした。フリー画像を貼ったり、画像を買ったりすればいいわけですが、公人でも公的でもないじぶんの記事に外国人がうつっているフリー画像つけるのが妙な感じでした。
どれだけフリー素材感があろうとも画像つけなけりゃブログはムリと知っていましたが、それでもやはり億劫でした。
みんなのフォトギャラリーはそれをさらりと解消しています。インターネット上のフリー素材を使えば、どのブログサービスでも解決できる問題かもしれませんがnoteのみんなのフォトギャラリーは内部にありワンアクションでした。

noteの一連の炎上騒ぎが、運営の成長の証しと、捉えている人たちが一定数います。
個人的な見識ですが、そんなはずはないと思います。
2000年に雪印集団食中毒事件というのがありました。「寝てない」発言で有名な事件ですが、加工乳の工場では家庭のようなことをやっていました。
「ねえこれ消費期限過ぎちゃったけどどうする」「なあにまぜりゃいいさ」
牛乳は殺菌何度何秒とか、記載されているものです。それがうそで日常的な改ざんや偽装をやっていたことが明るみになって、世間に衝撃を与えたのでした。

1999年に東海村JCO臨界事故というのがありました。核燃料を扱う施設にもかかわらず、作業員たちがやっていたことは農村の肥料汲みのようでした。
作業員らは、マニュアルを無視して、ステンレス製のバケツをつかってウラン化合物の粉末を溶かしていました。さらに効率化をはかるためマニュアルの無視度合いを進化させてもいました。作業員は「ウラン溶液を溶解槽に移している時に青い光が出た」(byウィキペディア)と証言したそうです。その手前のセリフは紹介されていませんが「いっぱい汲んできたど」と言ってウランバケツを前にして「さあてやんべ」と励まし合ったにちがいありません。
JR西日本福知山線脱線事故も人的ミスでした。

端からどんなに厳格に見えても、体勢がいびつな負荷を生んでいるところは崩壊します。デタラメをやるところはさらにデタラメをやります。それは歴史が教えてくれます。note関連の3つの炎上は「いくらなんでもそんなことはしないだろう」というあの事件たちの肌感がありました。noteおよびcakesの炎上の内容については検索すれば、雪崩のように出てくるので割愛しました。
横文字を使ったIT企業はけっこうスカスカしている──とは偏見ですが、あんがいそれが裏付けられてしまうものです。この「うさんくささ」を表現するこんな記事も書きましたのでお読みいただければ幸いです。

vulnerable9115b.hatenablog.com