津次郎

映画の感想+ブログ

ハラハラドキドキ スクリーム6 (2023年製作の映画)

スクリーム6

3.6

スパンみじかっ。
2022年にナンバリングのないScreamがあって翌2023年にこのScream VI。完全に混同してた。

話も人物相関図も覚えていないが、何にもわかっていなくても楽しめる快適なスラッシャーだった。

はじまるとSamara Weavingがいる。
バーで出会い系の相手待ちをしている。
エレガントでタイトな黄色いドレス。
相手が道に迷ったとか言うので外へでる。
路地へおびきだされて刺される。
お面とったらグランドブダペストホテルのボーイ“ゼロ”じゃねえか。
──というつかみでがっつりつかまれた。

考えてみりゃスクリームの初作から本作までお面をつけた奴が襲いかかってくるという、たったそれだけのコンポジションをひっぱってきたわけだ。

が、それを言うなら13金からハロウィーンからチャイルドプレイから、スラッシャーのプロットなんてぜんぶ五十歩百歩だが、スクリームは毎回手を変え品を変え、“いつもより余計に回して”、飽きられないようつくられてきた。──ような気がする。

たとえば窓からハシゴを渡し、それをつたってアパートから隣アパートへ逃げるシーンがあった。
アイデアとしては、なんてことない。むしろなにやってんだか・・・という感じだった。
が、追手がせまってくるし、ハシゴを四つん這いにつたって逃げるのがこんなに劇的なのか──と思えるほどハラハラドキドキなシーンに仕上がっていた。

全編が巧み。上映時間中きっちり離さなかった。

まじでやきもきさせる“志村うしろ!”な演出。
刺し傷の深刻度と痛さに反する明るさとバカっぽさ。
物理をねじふせる神出鬼没。
既視感をねじふせる演出技量。
ホラー慣れしている人にさえ「ひええ」と思わせるバイオレンス描写。
あっさりやられる取り巻きとぜったいにやられない強えヒロイン。
ノンストップなハラハラドキドキと意外な真犯人。
そしてメタ要素(セルフパロディ)。

そのだてじゃない技量もさることながら濃くて映えるMelissa BarreraとJenna Ortega。その羨望のパーツ群。(とくにMelissa Barreraの眉。)やみくもに人類のアンフェアをかきたてる顔面偏差のふたりが血で血を洗うアトラクションに興じる楽しさ。

基調としてAllyサイドでも善人でも容赦なく刺されてしまうのがスクリームの突き抜けた楽しさになっている──と思う。

それでいてさわやか。なんか笑える感じ。がしがし刺されてもなんか生き延びるし。

旧世代向けreunionキャラクターとしてはコートニーコックスと珍しいヘイデンパネッティーア。ネーヴキャンベルは休みだった。なおパネッティーアはぜんぜんFBIには見えなかったw。