津次郎

映画の感想+ブログ

フレンズの最終回と 終わらない週末 (2023年製作の映画)

終わらない週末」:ジュリア・ロバーツがNetflixの新作で復帰

3.2

ある朝、人間嫌いのアマンダ(ロバーツ)は突発的な休暇を思いつき、家族でロングアイランドの借家へ出かけるが、不思議な現象に遭ったり、住人が戻ってきたり、混迷をきわめる。

綺譚なのか戦争なのか判断できない。
シャマランのような超自然現象を描いているようでもあるがEMP攻撃のようでもある。

わくわくしながら見始めたが人物造形には違和もあった。
アマンダは人間嫌いのわりにスコット(マハーシャラアリ)と打ち解けるのがはやい。ルース(Myha'la)はいちいち意地が悪い。

ブラックミラー6のep2にLoch Henry(ヘンリー湖)というのがある。禍々しいスリラーだが、本筋以上にMyha'laの風貌のほうがインパクトがあった。そこでもここでもずけずけとした物言いをする強気なキャラクターで憎まれ役に適性を感じた。

北朝鮮か中国かイスラム世界か、そのどれでもないのか、禍害の正体について不明瞭なままだが、人種と階級と恐怖と、人々が危機にどのように対応するかの問題を探っていく。
深読みするなら、国家間の緊張や、白人と黒人や、世代間について、風刺を感じることもできるのだろう。

ところが登場人物への感情移入はむずかしく、アリはいつもながら理知だったが、ロバーツは神経質でホークとベーコンは見分けがつかずMyha'laは憎たらしい。

布陣のなかで唯一子役のローズ(Farrah Mackenzie)だけが好ましかった。

彼女とフレンズの最終回が映画の肝を握っていて、ディザスターにもかかわらず、なんとなくさわやかに終わる。
人間、そんな事態になってしまったら、好きなコンテンツでも眺めて終わっとくほうが潔い(いさぎよい)というものだ。

Rumaan Alamという人の同名小説にもとづいているが、そこにフレンズの件(くだり)はなく、作者と協議したうえで監督兼脚本のサムエスマイルが加えたものだそうだ。その脚色がなかったら凡打だったと思う。

imdb6.7、RottenTomatoes74%と42%。

ひさしぶりにケビンベーコンを見たのでThe Oracle of Baconをつかって(主要)共演者のベーコン数を調べたがロバーツが2のほかはみんな1だった。