津次郎

映画の感想+ブログ

長沙里9.15(2019年製作の映画)

2.5
じぶんの国を良く描く。
だいじなことだと思う。
信条が据わっていない若者が、日本軍が悪さをしている戦争映画ばかり見ていると、自己批判的になる──ものだ。
たんじゅんだけれど、人が強固な主義主張にいたるに際して、エンタメの影響力は大きいはずである。

ただし、戦争映画の批評に、左右のイデオロギーが介在しているものは、つまらない。偏向が生じるからだ。

むろん主観は概してフェアなものではないし、誰がなにをどう見ようと当人の勝手である。わたしとて勝手なことしか述べない。

しかし、変節する主観にくわえて、主義主張が介入してしまうなら、もはやそれは心霊喫茶エクストラの秘密を信者が絶賛するようなものである。とは思う。

しっかりお金をかけているし、迫真の演技と言っていい。つくりの確かさもあった。
が、脚色は大きいと思う。偉そうなことは言えないが「実話」の戦争映画を見るなら、批評精神がひつように思う。

個人的にはドラマチックに盛り上げるところがクサ過ぎた。
美化はいい。が美化しすぎだと思う。中韓の戦争映画にはつねに感じる。

以前映画かドラマで見かけたモデルのイホジョンが学生兵にいる。はじめの船の描写から、おや女がいるぞ──という感じですぐにわかる。顔がすごくいい。くやしいがこのひとえの顔には批評精神も形無し。