津次郎

映画の感想+ブログ

透明人間(2019年製作の映画)

4.5素人なりの感覚で、例証や包括的なことを言ったりすることがある。 たとえばアメリカのホラー映画でもっともHotな新鋭はAとBとCの三人の監督です。とか。Dは、もっとも嘱望されている映画監督のひとりである。とか。 そういった発言は、じぶんの僅かな映…

ありふれた奇跡(2009年製作のドラマ)

5.0翔太(加瀬亮)の実家が、左官屋で男所帯でした。父が風間杜夫、祖父が井川比佐志です。 家にいるとき、なにかの拍子に翔太が「あ~」と言います。炒め物をつくっている時なんかにやります。目を固く閉じて、仰向きながら言います。この「あ」には濁点が…

顔でホラーを表現 ヘレディタリー/継承 (2018年製作の映画)

4.5アリアスターは、よくわからない。すごい映画だと感心し、圧倒されるが、なんでこうなるのかが、わからない。 『(~中略)ところで、シオドア・スタージョンはよくわからない作家だ。話そのものはよくわかる。文体が凝っているということでもない。結局…

私というパズル(2020年製作の映画)

3.5個人的には、出産シーンに露悪を感じた。赤裸々な描写が、見る者を釣っている──ように感じてしまった。妊婦の絶叫って、すごく効果的なアイキャッチになる──と思いませんか?出産と死に目って、抗えませんよね? 出産はたいへんなことにちがいない。その…

淑女は何を忘れたか(1937年製作の映画)

4.0映画に喫煙の描写がある、ことがある。 わたしはいまは(やっと)やめられたが、それまで四半世紀におよんで、ヘビースモーカーだったので、ひとの喫煙にたいして、大らかである。 だが現代社会、喫煙者は、肩身が狭い。 まだ、喫煙していたころ、都市へ…

韓国版 カンナさん大成功です! (2006年製作の映画)

3.5原作のことは知らない。また日本版の映画もあるが、見たことがない。カンナさん大成功です!と言ったばあい、おそらくこの韓国版の映画がもっともポピュラーではないかと思われる。 ストリーミングサービス=Netflixもあり、日常的に韓国のエンターテイン…

コロンバス(2017年製作の映画)

5.0imdbを見たのだが、Kogonadaなる監督の履歴には、映画研究のショートフィルムがずらりとならんでいた。 巨匠の名前がタイトルのいちぶになっているから、わかりやすいのだが、ozuというのがあった。さらに、KubrickもBresson もHitchcockもAronofskyもWes…

優しさとホスピタリティ パブリック 図書館の奇跡 (2018年製作の映画)

3.5エミリオエステベスというとブレックファーストクラブのいんしょうがずっとある。レポマンの若い彼も、うっすら記憶はある。カルトとして紹介されていたのをVHSで見たのだが、どんな映画だったかよくおぼえていない。ただSaturday Night Live!Monday Nig…

Sweet Home -俺と世界の絶望-(2020年製作のドラマ)

4.0ひとことで言うとずっと一緒に戦ってきた者が死ぬことの恐怖と悲しみが主役。 ここで繰り広げられているポストアポカリプスorディストピアが、とても新しい、わけではないし、市民(非戦闘員)の闘争が描かれているだけで、ストーリーに起伏があるわけで…

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

2.7サタデーナイトライブの動画等でクリスティンウィグが演じる、やりすぎな人物像を、見る。楽しい。この映画内のバーバラ=クリスティンウィグを見ると、あれを、いくらかソフトにやると、リアルな人物像になることが、よくわかる。 初段階の、おどおどし…

続編の法則に埋もれる 新感染半島 ファイナル・ステージ (2020年製作の映画)

2.7釜山行きの続編だが、舞台となるのは感染者だらけの廃都市である。前段で、そこへ行くことになる経緯を描き、主人公(カンドンウォン)がやってくる。 『ヨン・サンホ監督によると、『ランド・オブ・ザ・デッド』、『ザ・ロード』、『マッドマックス』、…

後出しジャンケン コンフィデンスマンJP プリンセス編 (2020年製作の映画)

3.5映画はざっくり、ブロックバスター型とアートハウス型に二分される。と思う。この映画を見ながら、ふと、日本映画のブロックバスターな娯楽作って、なんか少ないな──と思ってしまった。 わたしの、個人的感慨なだけ──かもしれないが、近年、日本映画って…

カルト親との向き合いかた 星の子 (2020年製作の映画)

3.8 さいしょから困惑するのですが、時間がぶつ切りに編集されています。この内容の話としては、信じられないほど、時系を錯綜させています。なんで、そんなに入れ替えるの?ってほどの、メタ・エディットでした。(メタ・エディットなどということばはあり…

茶道と日常 日日是好日 (2018年製作の映画)

3.5この映画を見ると、厳格な作法の指導者たる人物は、意外におおらかな性格を持っているものだ──という仮説を容易に信じることができる。 それは、むろん、お茶のことだけではない。 たとえば、わたしたちが、かつて出会ったことのある、柔/剣/弓道の師範だ…

LGBTミュージカル ザ・プロム (2020年製作の映画)

2.5ゲイ映画の、グレタトゥーンベリ的な正義感がきらいです。LGBTQコンテンツが必ず持ってしまう慈善な空気がにがてです。 ゲイならば、ピュアな愛をやる──わけじゃない。ゲイのカップルだって、浮気も裏切りもあるでしょうに。 LGBTQのメディア露出/コンテ…