津次郎

映画の感想+ブログ

排他的で情感を入れない 父の秘密 (2012年製作の映画)

3.3
妙に覚えている。
叙情をしない。
心象もしない。
あっさりではなく、あっけらかん──である。
が、描かれることは苛烈である。
娘はいじめがエスカレートしてクラスメートに隷属している。
適当になぶられいじられまわされるが、妙な逞しさで窮地を逃れる。
父は得体のしれない諦観がある。
得体のしれない憤懣もある。
それらが何かよく解らないが、諦めと怒りが、無慈悲へ落ちている。
父が娘を弄んだ男の子を、どうやって断罪するかの方法が、極端へ振り切っている。
深田監督の淵に立つの印象と酷似しているが、もっと、すっとぼけた排他がある。
母という名の女もこれと共通した印象で、作風は深田監督より一貫している。
鬼才が鬼才を抜け出すのは、非倫理がこけおどしになっていないとき──だと思う。→まだちょっとよく解らない。
テッサイアはミュージックビデオなんかがあって、本国ではアイドルみたいな人なんだろうか。感じのいい人で、むしろ笑顔が見たかった。