津次郎

映画の感想+ブログ

やること派手だけど グレイマン (2022年製作の映画)

グレイマン

3.6
寡黙でどことなく寂しげなライアン・ゴズリングって「これぜったい母性本能くすぐるんだろうな」という顔をする。──そんな孤独が似合う男ゴズリングの一騎当千なスパイアクション。

だが気になったのはクリス・エヴァンス。ナイヴズアウトのときも思ったがクリス・エヴァンスって演技がじょうず。アベンジャーズの一員やってるとわからないけれど、すごく器用な役者だと思う。

ここでは愛用ペンチもってる拷問のプロ役。ニコニコしながら爪を剥ぐw。冷酷&人を見下した気配が超絶うまい。ムキムキ体躯はキャプテンのまま。ふだん正義マンやっている人なのに、板に付いた悪党っぷり。

白眉は男ひとり屠るのにプラハの街を壊滅させるんかい──なドンパチ合戦。
地元警察に追われSWATに追われ三つ巴となった銃撃戦に颯爽と現れる助っ人を演じるのがアナ・デ・アルマス。007をほうふつとさせるかっこよさ。前ぱっくりドレスじゃないけどね。

やばいデータの争奪戦に、屈強な殺し屋+可憐な少女のレオン効果を加味するけれど、そこはあっさりと。あくまで無敵なシエラ・シックス(ゴズリング)を暴れさせるのが主題。見どころは盛り沢山。敵は死屍累々だけどこっちだって満身創痍。どうでも肉弾で決着したいマゾ演出。

シックスの親代わりとしてビリー・ボブ・ソーントン。
派手に壊すわりに、ぜんぜん成果のあがらないエヴァンスの陣営で、罵り合いするだけの役にジェシカ・ヘンウィック。
タランティーノのワンス~ハリウッドの西部劇セットで「リック・ダルトン」とからむ小さな女の子Julia Buttersが護衛される姪役。
──ルッソ兄弟映画だけあって脇も粒ぞろいだった。

が。とうぜん製作費もデカい。

映画グレイマンのウィキペディアに──

『本作は、Netflixオリジナルとして配信されている。製作費は2億ドルと、Netflix史上最も高額な作品となっている。』

──とあった。

羽振りのいいNetflixだが、会員減少傾向にあるというニュースをさいきん目にする。
新型コロナウィルスの初期には巣籠もり需要によってVODへの入会者が伸びたものの、ウィルス発生から2年経ち、庶民の収入減や物価高などによってVOD退会が目立ってる模様。じぶんもAppleTVやDisney+を数ヶ月でやめてしまった。
映画館行ったような顔してレビューできるから気に入ってたんだけどねw。

ちなみに円安の今(2022/07)2億ドルは272億5000万円ですw。つましい暮らしをするわたしは1分毎2億円の映画グレイマンを見ながら、NetFlixの退会はもすこし延ばそかな・・・などと思案している夏の夜。

余談だけど(いまさらな気づきなのかもしれないが)今後映画撮影においてドローン操縦士のポジションが向上していく気がする。

ドローンと搭載カメラの性能がさらに向上すれば、たとえ派手な動きのアクション映画でなくても(すなわちカメラ移動のみならず)カメラ位置の確保や、カメラ周りの人員や、大掛かりなカメラ周辺機材が軽減できる。空中静止の精度があがれば、映画撮影はドローン操縦士に取って代わるのではなかろうか。──と思った次第。(なにもしらない素人の見解)