津次郎

映画の感想+ブログ

2021-01-01から1年間の記事一覧

ハッピー・デス・デイのジェシカ・ローテ主演 オール・マイ・ライフ (2020年製作の映画)

2.7HappyDeathDayでJessica Rotheをはじめて見た。にほんご表記だとロースかローテになっているのだが、あっちの動画をみているとスよりもテよりもサにちかく、舌をつかうやつのような聞こえをする。こういうくそなまいきなことを言う人はえーごに詳しいはず…

ソフィアコッポラ幼少期の思い出 SOMEWHERE (2010年製作の映画)

4.0いちばん好きな映画が答えにくいのは、ひとつに決めにくいから、でもあるし、ひとつに決めてしまうと、じぶんというパーソナリティに多様性が失われる、ような気がするからでもある。 それが最良のもの──としてしまうのは、なんか怖い。おれは他の映画も…

ザ・ソサエティ(2019年製作のドラマ)

5.0小さな町の学園の生徒を残して、世界が消える。家族がいなくなった。それどころか国家がなくなった。町の周りはどこまでも森、通信も交通も遮断される。 その設定において、エンタメとリアリティを折衷しつつ、学生たちだけで、社会が形成される様子を描…

男たちの挽歌(1986年製作の映画)

5.0チョウユンファってひとはパッと見、あきれるほどウソくさい。映画の序盤はホーとマークの絶頂期だが「オフコース」とか言っちゃうマークの軽さ。上機嫌がフラグとはいえ軽薄すぎる。 が、出所後堅気なタクシー運転手として頑張っているホーがぐうぜんマ…

クルエラ(2021年製作の映画)

3.7クルエラの物語を知らず、もっと若年層向けの話だと思って見たが、コメディ気配に包まれているものの、愛憎の寓話だった。途中に大きな岐点があり、印象が変わる。 白い顔に隈取りなので、ヒール値をもったヒロインだと思うが、じっさいの彼女は優しく人…

ゴージャスな女優による陳腐なドラマ ずっとお城で暮らしてる (2018年製作の映画)

2.4おそらく誰もが見たことがある真珠の耳飾りの少女というフェルメールのゆうめいな絵がありスカーレットヨハンソンで映画になっている。ヨハンソンはすてきだが真珠の耳飾りの少女には似ていなかった。タイッサファーミガを見たとき真珠の耳飾りの少女を思…

ザ・ハント(2020年製作の映画)

3.3マンガでも映画でも小説でもいいが作品が作品世界を展開している。そこへ突如、天の声(作者の脚注)が出てくるような仕組みのことを「メタ」と冠することがある。(よくわかっていないが、たぶん。) 日本にはメタの構造をもっているマンガやアニメが多…

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.7ふと、振り返ってみると、よく原作の映画を見るのに、たぶんスティーブンキングを一冊も読んだことがない。 ドクタースリープのタイトルの由来(これから死ぬ人がかれをそう呼ぶ)となるシーンに感銘をうけた。恐怖や悲しみをかかえた絶命のまぎわに「眠…

ペイルライダー(1985年製作の映画)

5.0シェーン(1953)のアレンジ+リメイクで傑出した映画が東西にある。東は遙かなる山の呼び声(1980)で西は本作だと思う。わたしはこれをダビングしたVHSで繰り返し見た。亭主が荒っぽい奴を拾ってきたと思ったらクレリック襟なのでプリーチャーと呼ばれ…

レッド・ハンター(2018年製作の映画)

2.0たくましいジーナカラーノに好ましさを持っていたが、SNSの発言で炎上し、マンダロリアンを降板したのが、日本でもけっこう知られている。それ以外でもけっこうファンキーな発言を繰り返していて、イメージが変わった。こじんてきに、左系文化人とか急進…

群がり(2020年製作の映画)

2.5田舎でいなごをよく食べた。多様な調理法があるかもしれないが、わたしの知ってるのは甘露煮にしたやつ。食べたのはむかしで、畦でつかまえたのを母の実家のおばあさんが煮詰めた。 わるくないが、すごくおいしい──ほどでもない。昔から、やがて昆虫食が…

かわいそうで釣る 沈まない三つの家 (2013年製作の映画)

1.0この監督はしぬしぬで日本中を熱狂させた湯を沸かすほどの熱い愛のひと。しぬしぬドラマの構造はシンプルでありながら、日本国民を入れ食いにできる。構造つっても露命を主役に置くだけなんだが。釣れる釣れる。とはいえ、日本人にしかウケないので日本に…

むかつく女 本気のしるし (2019年製作のドラマ)

2.5このドラマの不条理は、深田監督によるものではなく、星里もちる氏のまんがに依存しているところが大きい。のでは?監督は自分の作風に近似した原作に絶妙なほどうまく乗っかっている。 個人的な見識だが、淵に立つは、わかったようなわかんないような話…

愛しい人から最後の手紙(2021年製作の映画)

3.4むかしと現代を行き来する映画で、60sでは上流階級をえがく必要上wardrobeや様式へのつよいこだわりが感じられた。それに比べて現代はざっくりと普通っぽい。 さいしょからキャスティングが気になった。60sは事故に遭った貞淑で金持ちの妻のパート──だが…

色つきが新鮮 ももいろそらを カラー版 (2020年製作の映画)

4.0日本映画をザ日本映画と称して貶すことがありますが、ときどきじぶんの見識が具体性に欠けていると思うことがあります。(もちろん素人が勝手なことを言っているだけなので、どうでもよろしいことですが・・・。) 「ザ日本映画」にいくらかの具体性を付…

キングダム: アシンの物語(2021年製作のドラマ)

3.0東京でオリンピックをやっているのだが、韓国のニュースがまいにち一個はかならずある。韓国は映画やアイドルなどのエンタメビジネスによる世界の認知がある。が、モラルやスポーツマンシップの欠如で、しばしば問題になる。日本は目のかたきにされ、こと…

ばるぼら(2019年製作の映画)

1.0人を生かしめる才能のひとつに生まれがあると思います。それは正に才能です。わたしたち庶民は、生涯を通じて、生まれも才能のひとつである──ということを、どうにか呑み込める寛容を持てるにんげんになれるように努力を重ねています。 このひとが監督し…

淀川長治の名言とは カリフォルニア・ドールズ (1981年製作の映画)

4.0淀川長治の名言のひとつに「男しか出てこない映画に駄作なし」というのがあるそうだ。 『著書『男と男のいる映画』において「男しか出ていない映画に駄作無し」と格言を残している。』(ウィキペディア:淀川長治より) 読んだことがないので、名言がなに…

夏、至るころ(2020年製作の映画)

1.0海外では、俳優が監督業へまわると、いいしごとをする。がんらい、映画をつくりたいと思っているひとが、俳優として業界へ入ってきたのなら、彼/彼女が、まっとうな監督になるのは順当なことだ。 イーストウッド、ニューマン、ベイティ、レッドフォード、…

戦略的マーベル ブラック・ウィドウ (2021年製作の映画)

3.7なくなってしまったけれどすごく強いプロレスラーで橋本真也さんというひとがいてフローレンスピューを見ながらおもいうかべていた。ファイティングファミリーのイメージもあるが、たくましい。橋本さんはわりと童顔なひとで、似ているとまでは言わないが…

“ストーカー”を描く デュエリスト/決闘者 (1977年製作の映画)

4.02021/07/015のニュースにこんなのがあった。『埼玉県内の20歳代の女性にストーカー行為をしたとして、浦和東署は14日、春日部市大枝、リフォーム業の男(41)をストーカー規制法違反容疑で再逮捕した。男は、この女性を十数年前に電車内で見かけて以来、…

脚本の重要性が如実に トランス・ワールド (2011年製作の映画)

3.5インディな低予算映画で、国内の概説ではクリントイーストウッドの息子がでていて、ファンタスティックビーストおよびエイリアンなどのキャサリンウォーターストンがでている──となっている。 が、ごらんになれば解るとおり脚本がいい。脚本家のひとり、…

ヒッチコック、ハリウッドへ進出 海外特派員 (1940年製作の映画)

3.8「いいやつだけどパーティーに呼びたくなるやつじゃない」ハワードヒューズ(ハワードホークスだったかもしれない)が、ハリウッド進出をはたしたアルフレッドヒッチコックをパーティーに招待した際、かれについてそんな感想を残したという逸話が残ってい…

トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

2.9話は、ひとそれぞれ、思わせるものがあると思う。わたしはわりと古い人なので宇宙の戦士を思い浮かべた。映画版のスターシップトゥルーパーズも思わせる。氷河のロシアからは遊星からの物体の感じもあった。クリーチャーは、見たことありそうな感じ。クワ…

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

2.0なにも知りません。鬼滅についていっさい白紙です。はじめて見ました。(無知ゆえ見当外れの可能性があります。) すぐに部分的な話だと解ります。 たとえばスターウォーズのどの映画を見ても、尺のなかで起承転結するので、部分的であることが気になりま…

血と糞と味噌にまみれたおしんの殺戮劇 ビー・デビル (2010年製作の映画)

4.5日本の映画監督は、女性が虐げられる映画を、好んで撮ってきました。 だもんで、女性が虐げられるような封建的な作風が「日本人が好む映画」と誤解されてしまった──わけです。 じっさいには、わたしたち日本人は、そんな作風を、好きじゃない。と思います…

アバウト・タイム 愛おしい時間について (2013年製作の映画)

3.5さいしょのやり直し(タイムトラベル)で、かたわらにいたポリー(Jenny Rainsford)に新年キスするばめんがいちばんいい。かのじょ、すごく嬉しそうにサンキューティムと言って、(それがRachel McAdamsよりMargot RobbieよりVanessa Kirbyより、かわい…

モノクロなのが救い ムカデ人間2 (2011年製作の映画)

1.8わたしは日本人なわけですが、洋画がすきで、洋楽もすきです。たいていのばあい邦画より邦楽よりすきです。だけど西洋社会に日本人が受け容れられているとは思いません。 住んだことも、行ったこともあまりないので、せっとく力はありませんが、おそらく…

第8日の夜(2021年製作の映画)

2.5ホラーや時代もののリアリティには、さまざまな要素が必要だが、まず庶民らしさが前提になる。と思う。 中田秀夫や清水崇といったホラーの「巨匠」が、毎度、目も当てられないモノを積み重ねている(だけど仕事はひっきりなしの怪異)が、たとえばかれら…

ブランドが大事 ラストゲーム 最後の早慶戦 (2008年製作の映画)

2.7最後の早慶戦がこんにちまで語り継がれるドラマとなっているのは、それがワセダとケイオウの話であるからに他なりません。でなければ歴史の隅に追いやられ、何十年も経て映画化されることは有り得ないでしょう。 無関係のにんげんにとって「だからなに」…